2021 Fiscal Year Research-status Report
“グレリン”未同定受容体による細胞生理機能と個体の生理的役割の解明
Project/Area Number |
20K06716
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金 主賢 富山大学, 学術研究部工学系, 講師 (00635146)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | グレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
胃や脳内で産生される生理活性ペプチド “グレリン” の受容体として唯一知られるGHSR1a受容体が未発現の脳領域において、グレリンに応答性を持つ未同定受容体(X受容体)の存在を確認した。本研究では、X受容体の活性化が持つ細胞生理機能および個体の生理的役割について、ラットをモデルとしたin vitro 実験系による細胞レベルの検証およびin vivo 実験系による個体レベルの検証により解明することを目的としている。
2年度目は、アシルグレリンがX受容体発現脳領域のニューロンに対して電気尻学的な興奮性作用を持つことおよび作用ニューロンの解剖学的特性について、in vitro実験系により明らかにした。 in vivo実験については自由行動下ラットのX受容体発現脳領域への局所投与を行うために投与方法の検討を行っている。また、アシルグレリンの脳室内投与が誘発するc-fos発現変化について、X受容体発現脳領域における検証を行ったところ、増加傾向にあるデータを一部得ることができた。デスアシルグレリンについては、摂食行動に与える生理作用について議論されているが、当研究室の検証では摂食行動を減少させる傾向にあることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitro実験系については、計測機器の故障および計測ニューロンの応答率が想定より低かったため、データ取得数が低くなってしまった。 in vivo実験系については、新規参入研究協力者の各研究手法の習熟に時間がかかり想定より遅れてしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度はGHSR1a受容体未発現の脳領域における”グレリン”の作用について、ラット脳スライスを用いた電気生理学的手法による応答ニューロンの割合と解剖学 的特性の検証および成体ラットへの脳局所投与による摂食行動と睡眠・覚醒動態への影響についての検証を実施する。
|
Causes of Carryover |
計測機器の故障による代替品の取得が、新型コロナウィルスによる半導体不足のため大幅に遅延し全て執行することが困難であった。 次年度では研究計画の遅れを取り戻すための物品費(実験動物、試薬等)として執行する予定である。
|
Research Products
(2 results)