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2021 Fiscal Year Research-status Report

チョウの翅組織のリアルタイムイメージング:システム構成的アプローチ

Research Project

Project/Area Number 20K06724
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

大瀧 丈二  琉球大学, 理学部, 教授 (70360211)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords色模様形成 / 翅形成 / チョウ / リアルタイムイメージング
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、小型のチョウ(ヤマトシジミ)の翅組織を対象とし、共焦点顕微鏡を用いたリアルタイム・インビボ観察を主たる方法論として、さまざまな視点から翅組織の形成過程を研究するものである。令和2年度は、翅の形(外形)の決定過程について翅の形成時期に周辺組織をイメージングするという方法で詳細に調べた。その研究をさらに発展させるかたちで、令和3年度は「歪み仮説」をもとにして翅にかかるさまざまな力を翅全体のイメージングおよび損傷実験で検証する予定であった。実際、令和3年度には翅全体の歪み構造の観察に成功した。ディスカルスポット付近や翅の辺縁部において、動く歪み構造が観察された。しかしながら、それらの歪みの長時間の追跡にはまだ成功していない。また、損傷実験による力の方向の検証にもまだ成功しておらず、これらについては、令和4年度にかけての課題となった。
その一方で、年度をまたいで他と並行して進めている生きた翅組織への抗体導入実験についてはかなりの成果を収めた。最初に緑色蛍光蛋白質(GFP)を翅組織の細胞へ導入することに成功した。抗体の導入効率はそれよりも低めとなったが、現在のところ3種類の抗体について導入することに成功した。現時点ではまだデータが不十分であるが、近い将来、翅組織へ抗体を導入する方法が確立できると考える。翅組織への抗体導入が進めば、遺伝子編集などに頼ることなく、蛋白質レベルでの機能解析実験が可能となるかもしれない。
さらに、抗体だけでなく、翅組織へある試薬を導入すると色模様形成が阻害されることを突き止めた。抗体導入法とともにこの方法を発展させることで、色模様形成のメカニズムがより詳細に浮き彫りになると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在のところ、当初の予定であった翅の上皮シートの歪みや張力が形態形成に与える影響についてはまだ十分なデータが得られていないが、一方、抗体導入方法の研究については、予想以上にかなり進展している。

Strategy for Future Research Activity

抗体導入法について多くの有望な結果が得られているため、これについてのデータ補填に努力する。早めに研究論文として出版できるように努力する。一方、これまでの計画に沿って、翅全体の歪みや張力について探求するため、翅全体の長期間のイメージングや翅における力のかかり具合を知るための損傷実験や薬理学的阻害実験なども並行して行っていきたい。

Causes of Carryover

抗体導入法については試薬に比較的多くの経費がかかるが、当該年度の研究については比較的問題もなく多くの実験が成功したため、予定よりも支出を抑えることができた。次年度においても、これまでとほぼ同じように、飼育用品、蛍光試薬、抗体、阻害剤などの消耗品を中心に使用していく予定である。、

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Published: 2022-12-28  

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