2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K06725
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
吉川 伸哉 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (20405070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 理子 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (30625926)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞壁 / バイオミネラリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
パルマ藻 Triparma laevis f. longispina細胞からの細胞壁画分を構成するタンパク質をコードする遺伝子としてTrLOg g5853が同定された。TrLOg g5853がコードするタンパク質は、これまでに報告されているシリカ重合タンパク質とは相同性が無いものの、N末端にシリカ重合小胞に輸送されるためのシグナル配列を持つことと、シリカ重合に関与するタンパク質の特徴であると考えらえているペンタリジンクラスター(12‐14アミノ酸配列中に5個のリジンがKXXXK, KXXK, or KXKという形で存在する)を複数含んでいることから、T. laevis f. longispinaの細胞壁のシリカ重合に関わる新規の遺伝子としての有力な候補であると考えられる。TrLO g5853遺伝子がコードするタンパク質が細胞壁に局在するのかを確かめるため、TrLO g5853遺伝子から予測されるアミノ酸配列の2カ所を認識するポリクロナール抗体(anti-5853)を作成し、間接蛍光抗体法と免疫電子顕微鏡法により細胞壁の局在性について解析を行った。その結果、間接抗体蛍光法では細胞壁が標識される一方で、免疫電子顕微鏡法では、細胞壁特異的な標識は得られなかった。一般的に間接抗体蛍光法と比べ免疫電子顕微鏡では、より高い抗原の保存性や抗体の特異性が要求されるため、今後はモノクロナール抗体等を用いた解析により、TrLO g5853遺伝子がコードするタンパク質の局在性についての知見が得られると考えられる。
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