2021 Fiscal Year Research-status Report
脳内甲状腺ホルモンによる鳥類早期学習プライミング機構の解明
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20K06747
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 教授 (90251438)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 刷り込み / 甲状腺ホルモン / 早期学習 / プライミング / ニワトリ / IMM |
Outline of Annual Research Achievements |
1,Subtype-selective contribution of muscarinic acetylcholine receptors for filial imprinting in newly-hatched domestic chicks 孵化直後のニワトリヒナの親子刷り込みに対するムスカリン性アセチルコリン受容体のサブタイプ別の役割を明らかにした。その結果、興奮性サブタイプであるM3受容体とM5受容体の関与と、抑制性サブタイプであるM2受容体とM4受容体の関与が強弱の差こそあれそれぞれの関与が示された。よって、親子刷り込みが起こる際には、複数の興奮性サブタイプ受容体と抑制性サブタイプ受容体が協調的に働くことが示唆された。 2,Gene expression profiles of the muscarinic acetylcholine receptors in brain regions relating to filial imprinting of newly-hatched domestic chicks ニワトリヒナの親子刷り込みに関係する大脳領域におけるムスカリン性アセチルコリン受容体のサブタイプ別の遺伝子発現を明らかにした。その結果、興奮性M3受容体遺伝子は、hyperpalliumとnidopalliumに強く発現し、IMM(Intermediate Medial Mesopallium)に弱く発現していた。またM5受容体遺伝子は、IMMと他のpalliumに広く発現していた。一方、抑制性M2受容体遺伝子は、pallium全体にまばらだが特定の細胞にはっきりとした発現がみられた。またM4受容体遺伝子は、IMMと他のpalliumに強く発現していた。以上の解析から、興奮性M3とM5受容体、および抑制性M3とM4受容体の協調的な遺伝子発現が、親子刷り込みに重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、2報の学術論文にその成果を発表した。2年目の成果として概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究は、概ね順調に推移したので、今後はこのままの実験計画で研究を推進する。研究計画の変更は必要ない。また、研究を遂行する上で特段の課題は見当たらない。
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Causes of Carryover |
最終年度での研究業績達成のために、より多くの消耗品費の使用が見込まれた。また、今年度は予定よりの少額の消耗品費の使用によって、順調な研究業績を達成することができた。よって最終年度は、合算した助成金の使用をおもに消耗品費の使用にあて、より多くの研究業績の達成を目指す。
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Research Products
(9 results)