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2021 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of regulatory mechanism of intestinal stem cell proliferation and differentiation via non-neuronal acetylcholine receptors

Research Project

Project/Area Number 20K06751
Research InstitutionSuntory Foundation for Life Sciences

Principal Investigator

高橋 俊雄  公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主席研究員 (20390792)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords非神経性アセチルコリン / オルガノイド / 腸幹細胞 / シグナル伝達経路 / 分化 / 増殖 / 組織形成 / 生体分子
Outline of Annual Research Achievements

(1)チャネル型及び代謝型ACh受容体を介した非神経性AChの幹細胞制御
チャネル型nAChRsサブタイプα2β4のサブユニット(α2及びβ4)のレポーターマウス(IRES-mClover3マウス)を作出し、両サブユニットの局在を、抗体染色(GFP抗体染色)及びFACS解析により調べた結果、パネート細胞に局在していることをin vivoレベルで明らかにすることができた。遺伝子改変マウスの作出の進捗状況については、β4-mScarletノックインマウス(β4-KIマウス)の作出は完了した。α2-KIマウス(mClover3)の作出については、現在進行中である。一方、代謝型mAChRサブタイプM3のKOマウスの解析の結果、M3-KOマウスのクリプトサイズが野生型マウス(WTマウス)に比べて増大していることを突き止めた。このクリプトサイズの増大は、M3シグナルの下流域で、EphB/ephrin-Bシグナル伝達経路とMAPK/ERKシグナル伝達経路が活性化されていることを見出した。本成果を投稿し、受理された(Takahashi et al. Life Sci. Alliance (2021) 4(9):e202000962)。さらに、M3のレポーターマウス(IRES-LacZマウス)を作出し、抗体染色(抗LacZ抗体染色)により、M3は腸幹細胞に局在してることをin vivoレベルで明らかにすることができた。
(2)代謝型mAChRsとチャネル型nAChRsとの機能的相互作用の解析
代謝型mAChR-M3のKOマウスのクリプトでは、RNA-Seq解析により、β4の遺伝子発現が上昇していることを見出した。このことから、代謝型M3(分化・増殖抑制)とチャネル型β4(分化・増殖促進)を介したAChの拮抗作用による腸幹細胞の制御が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1)チャネル型及び代謝型ACh受容体を介した非神経性AChの幹細胞制御
チャネル型nAChRsサブタイプα2β4のサブユニット(α2及びβ4)のIRES-mClover3マウスを作出し、両サブユニットの局在を、抗体染色(GFP抗体染色)及びFACS解析により調べた結果、パネート細胞に局在していることをin vivoレベルで明らかにすることができた。代謝型については、代謝型mAChR-M3のKOマウス解析の論文がLife Sci. Alliance (Takahashi et al. Life Sci. Alliance (2021) 4(9):e202000962) に受理された。
(2)代謝型mAChRsとチャネル型nAChRsとの機能的相互作用の解析
代謝型mAChR-M3のKOマウスでは、他の代謝型mAChRs (M1, M2, M4, M5) の遺伝子発現変動はないことを明らかにした(Takahashi et al. Life Sci. Alliance, 2021, 4(9):e202000962)。また、代謝型mAChR-M3のKOマウスのクリプトでは、RNA-Seq解析により、チャネル型nAChRサブユニットのβ4の遺伝子発現が上昇していることを見出した(変動率:5.5倍上昇、n=3)。このことから、代謝型mAChR-M3(分化・増殖抑制)とチャネル型nAChR-β4(分化・増殖促進)を介したAChの拮抗作用による腸幹細胞の制御が考えられた。
以上の結果から、非神経性AChが細胞分化、組織形成に関与しているという今までほとんど研究のターゲットにされなかったAChの新規生理学的役割の一端をin vitro及びin vivoで明らかにすることに成功したので、概ね研究目的は達成できたと考える。

Strategy for Future Research Activity

(1)チャネル型nAChRsを介した非神経性AChの幹細胞制御
チャネル型nAChRsサブタイプα2β4のサブユニット(α2及びβ4)のKIマウスを作出し、KIマウス由来のパネート細胞とレポーターマウス(IRES-mClover3マウス)由来のパネート細胞とのRNA-Seq法によるトランスクリプトーム解析を行う。また、得られた結果を基に、特定のタンパク質やリン酸化タンパク質の発現を細胞レベルで解析する。また、パネート細胞が腸幹細胞にどのように伝えているかを液性因子(Wnt分子)または隣接細胞間シグナル伝達(Notch-Deltaシグナル)を想定し、検証する。
(2)代謝型mAChRsを介した非神経性AChの幹細胞制御
M3KOマウスのクリプトで過剰に発現しているEphB/ephrin-Bシグナルを、EphB2及びephrin-B2のキメラタンパク質のin vivo投与によるレスキュー実験を行う。可視化したレポーターマウス(M3-IRES-LacZマウス)を用いて、M3を発現している細胞の同定と追跡を行う。また、M3KOマウスの小腸において、シングルセルトランスクリプトーム解析を行う。
(3)代謝型mAChRsとチャネル型nAChRsとの機能的相互作用の解析
チャネル型nAChRsサブタイプα2β4のサブユニット(α2及びβ4)のKIマウスにおける代謝型mAChR-M3遺伝子の発現変動を調べる。代謝型mAChR-M3とチャネル型nAChR-α2またはβ4サブユニットのダブルKOマウスの作出に着手する。胎生致死または発育不全の場合は、それぞれの受容体に特異的なアンタゴニストを用いて、オルガノイド培養系のin vitro 薬理実験を行う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2021 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 3 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Muscarinic receptor M3 contributes to intestinal stem cell maintenance via EphB/ephrin-B signaling2021

    • Author(s)
      Toshio Takahashi, Akira Shiraishi, Jun Murata, Shin Matsubara, Satsuki Nakaoka, Shinji Kirimoto, Masatake Osawa
    • Journal Title

      Life Sci. Alliance

      Volume: 4(9) Pages: 1-17

    • DOI

      10.26508/lsa.202000962

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Modeling intestinal stem cell function with organoids2021

    • Author(s)
      Toshio Takahashi, Kazuo Fujishima, and Mineko Kengaku
    • Journal Title

      Int. J. Mol. Sci.

      Volume: 22 Pages: 1-14

    • DOI

      10.3390/ijms222010912

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Multiple roles for cholinergic signaling from the perspective of stem cell function2021

    • Author(s)
      Toshio Takahashi
    • Journal Title

      Int. J. Mol. Sci.

      Volume: 22 Pages: 1-16

    • DOI

      10.3390/ijms22020666

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Book] BIO Clinica2021

    • Author(s)
      高橋俊雄
    • Total Pages
      4
    • Publisher
      北隆館
  • [Remarks] 公益財団法人サントリー生命科学財団

    • URL

      http://www.sunbor.or.jp/

URL: 

Published: 2022-12-28  

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