2020 Fiscal Year Research-status Report
真核生物の加速度的進化は巨大ウイルスがもたらした-状況証拠から実態解明へ
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20K06772
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
松尾 充啓 摂南大学, 農学部, 講師 (70415298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小保方 潤一 摂南大学, 農学部, 教授 (50185667)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 巨大DNAウイルス / 有殻アメーバ / 細胞内共生進化 / 遺伝子水平転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、有殻アメーバの培養サンプルからDNAウイルスを単離する実験を予定していたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下での大学の閉鎖と、所属機関の異動が重なったため、当初の予定どおりに実験を進めることが難かしかった。そこで、予定を変更して、2年目に予定していたバイオインフォマティクスによる有殻アメーバゲノムに挿入されたウイルスDNAの配列解析を、先行して実施した。この解析により、有殻アメーバゲノムに1万近いウイルスDNA様配列が挿入されていることが示唆され、予想を超える量のウイルスDNAが有殻アメーバゲノムに入りこんでいることが明らかになった。同時に研究開始当初に予定していた「ウイルスの挿入断片をハイブリダイゼーション法により濃縮してから、配列解読する」という研究計画が非効率であることも判明した。そこで部分的に研究計画の見直しを行い、有殻アメーバのゲノムそのものをロングリードの次世代シーケンサーでリシークエンシングすることで、ウイルスDNAの挿入断片を包括的かつ一挙に解析する方針に切り替えた。有殻アメーバゲノムの再解読については、現在Pacbio社のsequelIIを用いて進めている。また上記の解析と並行して、有殻アメーバの中でDNAウイルスが増幅する条件についての探索も行った。具体的には、有殻アメーバを高温ストレス、強光ストレス等を与えて、DNAウイルスが増幅するかどうかをリアルタイムPCR法により検証した。その結果、実験で使用した単純なストレス処理条件ではウイルスDNAの増加は観察されず、DNAウイルスを増幅させるために、さらなる条件検討が必要であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関の異動と新型コロナウイルスの影響が重なり、実験開始時期が遅れたため課題の進捗はやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目はロングリードシーケンサーで再解読した有殻アメーバゲノムのウイルス様配列のバイオインフォマティクス解析を進める。また一年目に予定していたDNAウイルスの単離については、まだウイルスの増殖系を確立できていないため、引き続き条件検討を行い、その上でウイルスの単離とそのゲノム解読を試みる。予定していた培養液からのDNAウイルスの単離が困難であった場合は、3年目に計画している自然環境から有殻アメーバに感染する同種のウイルス株を検出する実験を前倒しして行い、自然環境からDNAウイルスを単離できるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスならび所属機関の異動の影響で実験開始時期が大きく遅れたため、次年度使用額が生じた。繰り越した助成金と本年度に請求した助成金は、本年度に予定している解析と前年度にできなかった実験の遂行に使用する。
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Research Products
(1 results)