2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of the pre-adaptation mechanism underlying the evolution of heart outflow tract
Project/Area Number |
20K06773
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
守山 裕大 青山学院大学, 理工学部, 助教 (40646212)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心臓 / 流出路 / 進化 / 前適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、心臓流出路を構成する細胞群が細胞外環境の粘弾性や硬さといった物理的特性を感知し自身の運命を制御しているのではないかという仮説を立て、これを検証するための実験系の確立を進めてきた。原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy、以下AFM)を利用し、生体試料の弾性率を定量化するために以下のような条件について検討を進めた。1. カンチレバーのばね定数と、カンチレバー先端に接着するビーズの径、またその接着法。2. 心臓各部位の脱細胞化手法。3. AFMにより得られたデータのフィッティング法。本年度では以上の項目について条件検討をおこない、流出路を含む心臓の各部位についてその細胞外環境(細胞外マトリックス)の弾性を評価する系を確立することができた。現在はこの系によってゼブラフィッシュ成魚心臓の各部位の弾性率の評価、また胚発生期における心臓部の弾性率の変化、さらに非真骨魚類であるポリプテルスの心臓各部位の弾性率の評価を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AFMによる弾性率評価系の確立に想定以上に時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、心臓流出路において発現しElastinの凝集、沈着に関わっていることが考えられる候補因子について、その機能が阻害された際の心臓流出路における細胞外環境の弾性率を評価していく。どのように変化しているか、また非真骨魚類であるポリプテルスの心臓流出路と比べてどのような差異が認められるか、という点から心臓流出路の発生と進化について考察を進めていく。
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Causes of Carryover |
AFMを用いた細胞外環境の弾性率評価系の確立に想定以上に時間がかかってしまったため。次年度においてはElastin bの凝集に関わることが予想される因子をノックダウン、またはノックアウトしたゼブラフィッシュ心臓における細胞外環境の弾性率評価をおこなう予定である。
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Research Products
(1 results)