2022 Fiscal Year Research-status Report
Comparative phylogeopraphy of river fishes using environmental DNA sequencing
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20K06782
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田邉 晶史 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (40549044)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 環境DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、選定した調査対象河川を夏季に訪問し、環境DNA試料を得る予定だったが、COVID-19大流行の影響で遠距離の出張を見送らざるを得なかったため、結果として環境DNA試料を取得することができなかった。 期間中、Molecular Ecology Resources誌に環境DNAを用いた淡水魚の系統地理復元がうまく行ったという日本の研究者による報告(https://doi.org/10.1111/1755-0998.13772)が掲載された。この研究は本研究課題と目的が一致しているため、内容を読んだ上で研究の類似性を検討した。この研究では、狭い分類群(属または近縁2属)ごとに専用のプライマーを開発してデータを取得している点が本研究課題とは大きく異なっている。つまり、研究目的に「少数種の淡水魚の系統地理復元」と「多数種の淡水魚の系統地理復元」という違いがあり、そのため使用する手法に「対象種の専用プライマーによるPCR増幅産物解読」と「種内変異に適した領域と種同定に適した領域を両端に持つPCR増幅産物を作成して解読」という違いがある。したがって、本研究課題が実現を目指している、目や科などの多数の魚種のデータを一度に取得する方法は新規性を失っておらず、本課題の研究は継続するべきだと考えられる。 また、データ解析パイプラインの改善に取り組み、シーケンサ内で起きる由来サンプル識別用インデックス配列の入れ替え(インデックスホッピング)の検出を従来よりも高い精度で行うことができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
環境DNA採集に適した夏季のCOVID-19流行の制約により、遠距離の出張をすることができなかった。通常、環境DNA採集は実際に現地に足を運ぶ必要がある。しかし、今回の特殊な状況下では、安全上の理由から遠距離の移動が制限されており、必要な試料を入手することができなかった。このような状況に直面しているため、本課題の遂行に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた研究期間内に研究を終える目処が立たなくなったため、既に期間の延長を申請し、受理いただいている。今年度はCOVID-19の5類感染症への変更もなされ、行動制限の必要性は低いとみられるので、予定していた環境DNA試料の採集は問題ないと考えている。ただし、年度内に分析が終えられるかどうかまでは確信が持てないため、もし間に合いそうにない場合は再延長を申請する可能性がある。
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Causes of Carryover |
夏季に環境DNA試料の採集旅行を予定していたが、COVID-19の流行により遠距離の出張を見送らざるを得なかったため。
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