2021 Fiscal Year Research-status Report
Why Ziphiid stomachs are so peculiar?
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20K06791
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
山田 格 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, 名誉研究員 (70125681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アカボウクジラ科の複胃 / 複胃の機能 / 胃の発生学的な変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
[小区画内容物のeDNA解析]アカボウクジラ科鯨類の内,オウギハクジラならびにイチョウハクジラについて,約10室程度に分かれている個々の小区画の内容物をサンプリングし,いわゆるeDNAの解析を開始した.原核生物のユニバーサルプライマを用いて抽出したDNAから小区画に存在していたバクテリアを可能な限り特定し,それらバクテリアの代謝産物について解析を行っているが,細菌学的理解の不足のため大変難航している.ただし,この解析によって,胃を多数の小区画に区画していることのもつ意味を解明することを目指している. [胃小区画の構造的特異性の調査]比較的新鮮であったイチョウハクジラ一個体の胃については,胃を構成する個々の区画の壁をサンプリング,組織学的な検索を行うため切片製作を行っている. [アカボウクジラ科鯨類の胃の配置に関する発生学的な遷移の解析]アカボウクジラ科の胃が多数の区画に分かれると同時に腹腔内でどのような配置の遷移が行われているかを調査するため,初年度作成したコブハクジラ新生児のシリアルセクションの断面を参照しながら,液浸固定標本の解剖をおこない胃間膜のねじれを追求している.. [アカボウクジラ科鯨類の胃の実際の形態をわかりやすく観察できる標本の作製ー一般的な鯨類の意図の対比を実現する]オウギハクジラとイチョウハクジラの胃のプラスティネーション標本作成を開始し,同時に対比のため一般的なマイルカ科(マイルカ)とネズミイルカ科(イシイルカ),ならびにアカボウクジラ科と同じく深海性であるが系統的には距離のあるコマッコウの胃(それぞれ1個体)についてもプラスティネーション標本として比較調査を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
衣装区画内のeDNA解析では,想定を遙かに超えるFloraの多様性が見え,対象クジラ個体の,種差,性差,摂餌海域差,個体差の見極めに難渋している.形態学的な解析では,ハンドリングの手間も考慮してもっと小さな新生児を対象としているが,それでも体長200cm超の個体の詳細な解剖には手間がかかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
前述の問題について,胃内Floraの解析については基本的な細菌学の解析をしらみつぶしに奨めることでFloraの際の持つ意味を明らかにする.小区画の胃壁構造の組織学的解析を早急に奨め,壁細胞の機能に関する考察を奨める.腹腔のシリアルセクションと,マクロ解剖学的な所見との照合を奨めながら,初年度撮影のCT画像の解析を行い,アカボウクジラ科鯨類の胃の発生経過の解明結果と合わせて彼らの胃がなぜ現在の特徴を備えるに至ったのか考察を奨める.
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Causes of Carryover |
プラスティネーション標本作成の手順が遅延したため必要処理が年度内に終了せず,最終年度に遂行しなければならなくなったため.最終年度早期にこれらの遅延は解消できる予定.
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Research Products
(1 results)