2021 Fiscal Year Research-status Report
Re-examination of competitive exclusion principle: effect of sex on Paramecium experiments by Gause
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20K06830
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
高倉 耕一 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (50332440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 浩平 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (90402750)
吉山 洋子 龍谷大学, 農学部, 実験助手 (80519968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 競争排除 / ゾウリムシ類 / 培養条件 / 植物抽出液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、ゾウリムシ類の培養条件と増殖の関係を調査し、実証的に競争排除を示したGauseによる実験の再現可能性について検討を行った。 ゾウリムシとヒメゾウリムシを混合して培養すると前者が排除されることを実証的に示したことで著名な研究 (Gause 1934)では、ゾウリムシ類の餌資源として細菌のコロニーの懸濁液を用いていた。しかし、本年度の研究で、現在入手可能な培地材料を用いて同様に培養した場合に、良好な増殖が認められないことを、ゾウリムシParamecium caudatumとヒメゾウリムシParamecium tetraureliaの両種、およびその他の種Paramecium multimicronucleatumを用いた実験で明らかにした。また、培養液中に植物抽出液を含めることで、どの種でも良好に細胞数が増えることも確認した。Gause (1934)と同様の実験系で再現実験を行うことはできないと考えられることから、再現条件は多少異なることを容認する必要があると考えられた。 現在、ゾウリムシ類の培養には、レタス、ダイズ、オオムギ、アカエンドウマメなどの植物の抽出液を培養液として用いることが一般化している。これらのうち、アカエンドウマメの抽出物を用いた培養液を用いることで、各種の増殖が良好であること、観察の妨げとなる沈殿物が少ないこと、培地調整の手間も少ないことなどを確認できた。今後の検証ではアカエンドウマメ抽出液を用いて培養を行うことが効率的であることを予備培養で確かめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策として、大学院生による実験室作業ができない時期が何度かあった。また、2021年末に大学周辺で記録的な大雪が観測され、数日間大学に近寄ることができず、実験途中のゾウリムシ類や系統保存用に培養していたゾウリムシ類が失われた。これらの外的要因により、実験計画は全体的に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で培養条件をある程度絞り込むことができたので、2022年度からは、2種の混合培養実験を開始し、仮説の検証に取り掛かることができると見込まれる。また、レーザ回折法による粒度分析を応用することにより、実験結果の定量化のスピードアップを図ることも検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行による影響で、全体的に研究の進捗が遅れており、そのために物品購入等の予定が滞った。また、2021年度に恒温器の修理を予定していたが、半導体不足の影響により修理の目処がつかず、見積もりの段階でとどまった。新型コロナウイルス感染症については、緊急事態宣言などが発出されない限り、2022年度は予定通り研究を進める予定である。恒温器については修理業者と相談の上、できる限り速やかに修理を進める予定である。
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Research Products
(1 results)