2021 Fiscal Year Research-status Report
Search for optimal dynamic pattern of light irradiation for plant growth
Project/Area Number |
20K06832
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
冨松 元 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (70598458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 環境応答 / 変動光 / 動的光合成 / 馴化 / 生長 / シロイヌナズナ / 植物生理生態 / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
植物成長に最適な光照射の変動パターンについて探査するために、様々な光条件で植物を栽培し、植物成長の関する基本データの収集を進めている。本年は、次の2項目について実施した。 1)光変動をともなう栽培システムの構築: これまで使用してきた3色(RGB)のLED光源を大型グロースチャンバーに移設した。3つの光照射パターン(照射間隔:長、中、短)を再現するため、各照射パターン処理2枚の合計6枚と、コントロールユニットを3セット設置した。これらコントロールユニットを一元管理できるように1台のパソコンに統合した。 2)植物成長におよぼす光照射パターンの影響: シロイヌナズナの野生株であるCol-0株を用いた。栽培条件は、CO2濃度400ppm、湿度70%、気温25度、日長:長日(明期12H)/短日(明期9H)とし、明期の光条件を強光/弱光150μmolm-2s-1/20μmolm-2s-1で栽培した。明期の光照射パターンは、“長時間照射パターン”強光/弱光4h/4h、 “中時間照射パターン”強光/弱光20min/20min、“短時間照射パターン” 強光/弱光2min/2minとした。上記の条件で栽培した結果、栽培開始から抽苔するまでの時間は、“長時間照射パターン”の個体ほど早かった。成長速度は日長によって変化し、長日で促進されるのは“短時間照射パターン”、短日で促進されるのは“長時間照射パターン”であることが明らかになった。 3)野外調査: 当初計画ではマレーシア熱帯林の林床植物を対象に、光強度、気温、土壌水分などの環境条件の観測・測定と、光合成誘導反応の現場測定を行う予定であったが、コロナウイルス感染拡大の影響で渡航できなかった。渡航が可能になり次第、現地で光合成測定とより詳細な環境調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
栽培システムのセットアップと条件設定のプログラム(日長、最大光強度、光波長の組み合わせ等)の設定に時間を要したが、計画していた栽培システム構築と実験は無事に終わった。予定していたマレーシア熱帯林での野外調査は、コロナウイルス感染拡大の影響により渡航を断念した。光や気温などの一部環境データについては、現地スタッフによるサポートによってデータ回収を継続することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に取得したデータを解析し、不足データがあれば必要に応じて追加実験を行う。さらに、栽培温度の影響を加味した栽培実験をシロイヌナズナの異体株を活用しながら進めていく。また、渡航が可能になり次第、現地で光合成測定とより詳細な環境調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画ではマレーシア熱帯林の林床植物を対象に、光強度、気温、土壌水分などの環境条件の観測・測定と、光合成誘導反応の現場測定を行う予定であったが、コロナウイルス感染拡大の影響で渡航できなかった。渡航が可能になり次第、現地で光合成測定とより詳細な環境調査を実施するために予算を使用する予定である。
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