2023 Fiscal Year Annual Research Report
Dose-dependent effects of head-ward fluid shift with hypercapnia on cerebral blood flow autoregulation
Project/Area Number |
20K06844
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩崎 賢一 日本大学, 医学部, 教授 (80287630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 洋二郎 日本大学, 医学部, 准教授 (60434073)
加藤 智一 日本大学, 医学部, 助教 (10786346)
田子 智晴 日本大学, 医学部, 助手 (70780229) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体液シフト / 脳血流調節 / 高二酸化炭素血症 / 頭低位 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の目標の通り期間内に20例の実験対象者において3通りの負荷(5度、15度、30度の頭低位+3%二酸化炭素負荷)の実験を完遂し、記録した全データを検討した結果、全例において解析対象とできる適切な測定が行えたことを確認した。そして、動脈圧波形と中大脳動脈血流速度波形に、高速フーリエ変換とクロススペクトル解析を施し、両者の変動量や伝達の強さなどを数値化して脳血流調節能の評価を行った。その結果、「頭低位と3%二酸化炭素負荷の複合負荷をすることにより、急速な血圧の自発変動から脳血流変動への伝達が増し動的脳血流自動調節能が低下すること」、「頭低位角度が増すほど動的脳血流自動調節能の低下の程度が増すこと」などを捉え学会発表し、論文発表に向け執筆、投稿を行っている。 一方、「平均脳血流速度については、頭低位角度を大きくしても脳血流増加に影響を及ぼさない」ことや、既存実験データの解析から「健常成人では頭部位置の違いが脳灌流圧等に差を与えても脳血流には影響しにくい」「頭低位で脳内酸素飽和度が上昇する」という知見も得て、学会発表や論文発表を行った。 さらに、結果をまとめ発表準備をする中で、脳血流自動調節能の性差についても詳細に論じる重要性が増し、文献的検討や予備実験などを行った。具体的には、先行研究の検討から男女差を捉えるには「交絡因子としての年齢や性周期の制御が重要となる」「手技的には安定した脳血流測定が一層重要となる」ことなどが分かった。特に手技的な面では、頭髪の長い女性の場合は、経頭蓋ドプラのプローブのヘッドバンドでの固定性が課題になることが多いため、我々がアドバンテージとしている個人ごとのプローブ固定具を歯科用印象剤で作製する手法において硬度や粘稠性の異なる歯科用印象剤を使用することや専用の固定ゲル・テープ・アタッチメントセットを補助的に使用することなども検討した。
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