2021 Fiscal Year Research-status Report
随意的な前・後傾姿勢運動時の位置感覚情報への注意と脳の活性化
Project/Area Number |
20K06845
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 勝夫 金沢学院大学, 人間健康学部, 教授 (60190089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 智恵 日本医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00612300)
外山 寛 金沢学院大学, 人間健康学部, 教授 (10172206)
国田 賢治 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 教授 (20316003)
清田 直恵 金沢学院大学, 人間健康学部, 准教授 (90559189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 姿勢 / 注意 / 事象関連脳電位 / 圧中心 / 筋電図 / 前・後傾姿勢運動 / 足指圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
随意的な前傾ないし後傾姿勢運動の反復動作時の注意機能と脳の活性化に対する姿勢運動の難度および運動方向の切り替えの影響を明らかにすることを目的とした。 対象は、健康な若年成人8名とした。被験者は、1秒かけて安静立位位置から前傾ないし後傾し、目標位置で1秒間姿勢保持、次の1秒で安静立位位置へ姿勢を戻し、1秒間安静立位を保持する、というパターンの運動を繰り返した。目標位置は、前傾が最前傾-5%足長(FL)位置、後傾が最後傾+3%FL位置とした。実験に先立ち、1秒間隔の音刺激と各目標位置を提示するブザーを用いて各姿勢運動の練習を行った。本測定では記憶した速度で、記憶した位置への随意的な姿勢運動を行った。1か所の目標位置への姿勢運動について、10回を1セットとし、各3セット実施した。姿勢運動時の事象関連電位を国際10-20法に基づくCz部位より記録した。また、大腿直筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、腓腹筋、母指外転筋の表面筋電図、前後方向の圧中心(CoPap)、および垂直眼球運動を記録した。脳波の加算は、前傾条件ではCoPapの最前方位置、後傾条件では最後方位置をトリガとし、加算区間はトリガ時点の前後2500msとした。加算区間に100μVを超える眼球運動が認められた試行は除外した。 事象関連電位は、多くの被験者において、前傾・後傾ともに、トリガ時点に向けて陰性に偏倚した。その陰性ピーク振幅は、前傾よりも後傾の方が大きい傾向が認められた。これは、前傾および後傾姿勢運動における注意の向け方の違いを示していると考えられる。ただし、数名の被験者において、安静立位位置に向けた陰性偏倚が認められた。 また、昨年度作成した足指圧測定器を用いて、前傾・後傾姿勢運動時の圧中心と足指圧の変化の関係を検討した。安静立位から前傾開始後、圧中心位置が足長の65%を超えたあたりで足指圧が急峻に増加し始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響下にあった令和2年度の課題について、被験者数を増やすことを目的に同様の実験を実施した。前傾と後傾で事象関連電位に顕著な差が認められるという知見を、さらに多くの被験者で確認できた。ただし、数名の被験者では安静立位位置に向けて陰性偏倚が認められ、これには被験者がそれまでに特に経験してきたスポーツの特性が影響する可能性が推察された。位置感覚情報への注意の向け方について、今後、被験者の運動経験も考慮に入れながら検討を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、床反力計および筋電図に加えて足指圧を測定しながら前傾・後傾姿勢運動時の事象関連電位を測定し、前傾および後傾時に注意が向けられる位置感覚情報およびそのタイミングを明らかにする。また、前傾か後傾かを予告する信号を提示し、その2秒後に反応する選択反応課題を加え、そのときの随伴陰性変動(CNV)および事象関連電位を測定し、課題の切り替えによる注意の様相の変化を明らかにする。さらに、最終年度の令和5年度に向けて、前傾・後傾姿勢保持時に測定からの感覚情報を増すような刺激装置を開発するための準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定していた人件費(被験者謝金)と旅費の計上を見合わせた。また、海外社製の筋電図の無線センサーの更新を行ったが、世界的な部品不足により、年度内に納入がされなかった。そのため、令和4年度の計上となる見込みである。以上の理由により、当初の予算よりも少ない支出となった。
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