2022 Fiscal Year Annual Research Report
皮質→海馬トップダウン制御による遠隔記憶形成メカニズム
Project/Area Number |
20K06849
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 亮 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60793916)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海馬 / 恐怖記憶 / エングラム細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、システムレベルの固定化は皮質(帯状回)→海馬トップダウンによって制御されると仮定し、特に海馬の時間経過に伴う想起に対する機能の減弱にスポットを当て、この機能減弱の原因と役割について検証を行ってきた。 最終年度は、海馬エングラム細胞群を標識・操作可能なシステムをAAV群のを用いて構築し、その評価を進めた。人工エンハンサーであるE-SAREの下流にテトラサイクリン依存性トランスアクチベーターであるteton3Gを連結し、その標的であるTRE3Gの下流に細胞群を標識・操作可能な蛍光タンパク質やChRなどの光受容体を発現させた。テトラサイクリン濃度や投与タイミングの適切化を進めた結果、本システムを用いることで恐怖条件付け文脈学習記憶(CFC)形成依存的に海馬歯状回での標識細胞数が増加したことが示された。また、これら細胞群にChRを発現させた結果、光照射依存的に人工想起可能であることが示された。以上から本システムによって標識された細胞群は、CFCにおけるエングラム細胞群であることが示唆された。そこで、本システムを用いてスパイン形態の観察を進めた。 続けて、上記システムを用いて、各海馬エングラム細胞での遺伝子発現を評価するため、エングラム細胞から、確実に生きた細胞を単離し、単一細胞RNAseqを可能とするRNAライブラリ作成に耐えうるプロトコルの最適化を進めた。 以上本研究の成果に基づき、システムレベルの固定化における皮質→海馬トップダウン制御のメカニズム解明に向けた回路・分子・動態解析の基盤を整えることに成功したと考える。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Neuronal reactivation in the prelimbic cortex during fear memory extinction2022
Author(s)
Hayato Kondo, Ryang Kim, Ranmaru Shimoda, Rie Yamashita, Shigetaka Kobari, Yusuke Tomiyama, Jungmin Kim, Takumitsu Shakuno, Leonie S. Brebner, Haobo Song, Tatsushi Yokoyama, Kasumi Inokuchi, Yayoi Kondo, Michiko Okamura, Masayuki Sakamoto, Hiroyuki Okuno, Keisuke Ota, Hajime Fujii, & Haruhiko Bito
Organizer
第45回日本神経科学大会
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[Presentation] Neuronal activity dynamics in the prelimbic cortex underlying fear memory processing2022
Author(s)
Hayato Kondo, Ryang Kim, Ranmaru Shimoda, Rie Yamashita, Jungmin Kim, Takumitsu Shakuno, Leonie S. Brebner, Haobo Song, Kasumi Inokuchi, Yayoi Kondo, Michiko Okamura, Hiroyuki Okuno, Keisuke Ota, Hajime Fujii, & Haruhiko Bito
Organizer
Neuroscience 2022 (Society for Neuroscience)
Int'l Joint Research