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2020 Fiscal Year Research-status Report

脳虚血後神経新生における酸受容体ASIC1aの役割

Research Project

Project/Area Number 20K06859
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

熊本 奈都子  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (30467584)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鵜川 眞也  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (20326135)
澤本 和延  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90282350)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords成体脳神経新生 / 脳虚血 / 酸感受性イオンチャネル
Outline of Annual Research Achievements

ASIC1aは水素イオンで開く陽イオンチャネルであり、脳では、神経細胞に発現し、シナプス小胞から神経伝達物質とともに開口放出された水素イオンをシナプス後膜にて受容することで、神経情報伝達に関与している。一方、虚血時には、嫌気性解糖の亢進により病変局所に水素イオンが蓄積するが、これに応答して開いたASIC1aは、細胞内へ陽イオンを流入させ、細胞の興奮に働く。虚血時に活性化されたASIC1aが成体脳海馬神経新生にどのような影響を与えるかを明らかにする。我々はまず、新生ニューロン特異的ASKC1a欠損マウスを用い、ASIC1aが虚血脳において神経幹/前駆細胞の増殖、生存に与える影響を検討した。新生ニューロン特異的ASIC1a欠損マウス(Nestin-CreERT2/lox-ASIC1a-loxマウス)にTMX(タモキシフェン)を5日間連続腹腔内投与し、神経幹/前駆細胞のASIC1aを欠損させた。最後のTMX投与の3日後に左側中大脳動脈永久閉塞MCAOを行って梗塞巣を作製した。その3日後にBrdUを単回腹腔内投与し、2時間後に脳を摘出、BrdUの蛍光免疫染色を行い、BrdU陽性(増殖)細胞の数を評価した。同様の脳虚血モデルマウスを用い、12時間ごとにBrdUを計6回 腹腔内投与し、BrdU最終投与から28日後に脳を摘出、BrdUの蛍光免疫染色を行い、BrdU陽性細胞(生存細胞)の数をカウントした。MCAOでは中大脳動脈支配領域である線条体と大脳皮質に梗塞巣が形成されるが、C57BL6系マウスは梗塞巣の大きさにばらつきがあり、データに個体差があるため、現在N数を増やして野生型マウスの脳虚血モデルマウスと比較検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた通り、新生ニューロン特異的ASIC1a欠損マウスの作出と、脳虚血モデルマウスの作製に成功し、これらのマウスを用いた成体脳海馬神経新生の評価系を確立した。ただし、データに個体差があるため、脳虚血モデルに関しては、今後、MCAO以外の虚血モデルも検討する必要が出てくる可能性がある。

Strategy for Future Research Activity

引き続き新生ニューロン特異的ASIC1a欠損マウスを用いて、虚血脳におけるASIC1a欠損神経幹/前駆細胞の増殖、生存の評価を行う。また、EGFP発現レトロウイルスを使って新生ニューロンにEGFPを発現させ、虚血脳におけるASIC1a欠損新生ニューロンの発達の形態学的解析(樹状突起長の測定、sholl analysisによる樹状突起の複雑性の解析、成熟スパインの大きさと密度の計測)を行う。また、梗塞巣の大きさのばらつきによりデータの個体差が大きく、野生型とASIC1a欠損の比較が困難な場合は、光血栓性障害モデルなど、他の脳虚血モデルの作製も検討する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症対策として、動物センターでのマウスの飼育数が一時期制限されたため、飼育マウスの数を減らす必要があった。そのため、マウスの飼育・維持費が予定より少なくなった。次年度で使用するマウスの飼育料に充てる予定である。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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