2020 Fiscal Year Research-status Report
蛍光を発しないGFPホモログ(色素タンパク質)を利用した神経科学研究ツールの開発
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20K06867
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
笠原 和起 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 上級研究員 (50344031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 色素タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでハイマツミドリイシ(Acropora millepora;イシサンゴ目)由来色素タンパク質(amilCP)遺伝子をProof of Conceptとして哺乳類細胞に応用を試みてきたが、色や立体構造やその他の特性について選択と改良を行うため、今年度はその他の生物種が持っている色素タンパク質遺伝子を解析した。具体的には、Actinia equina(イソギンチャク目)、Anemonia majano(イソギンチャク目)、Anemonia sulcata(イソギンチャク目)、Echinopora forskaliana(イシサンゴ目)、Galaxea fascicularis(イシサンゴ目)、Stylophora pistillata(イシサンゴ目)の色素タンパク質遺伝子配列を得て、哺乳類細胞でよく発現するようにコドンの最適化を行った。これらの塩基配列について人工遺伝子合成を行い、大腸菌発現ベクターに挿入して大腸菌を用いて発現させた。その結果、すべての色素タンパク質が着色することを確認した。ただし、色の吸光波長のスペクトルや濃さ、発色までの時間には大きな違いがあった。また、パラホルムアルデヒド溶液や有機溶媒(アセトンやエタノール)に対する耐性を調べた。多くの色素タンパク質が、想定していたよりもアルデヒド溶液や有機溶媒に対して強く、週単位の長期間浸しても着色が継続することが判明した。 新型コロナウイルス感染症の影響に伴って研究に大きな制限があったため、当初予定していたような色素タンパク質遺伝子配列の改良や、色素タンパク質のマウス個体への導入はできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症に伴って研究に制限があったため、時間がかかる遺伝子の改良や、色素タンパク質のマウス個体への導入はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の大きな変更は行わず、今年度の研究の結果から着色するようになるまでの時間が短い(すなわち発色団形成が速い)色素タンパク質に着目して、この遺伝子を中心に改良を行うことにする。また、研究代表者の別の研究から、CRISPR/Cas9を用いて迅速にマウスゲノムに正確に外来遺伝子を挿入できるようになったので、その技術をこの色素タンパク質の研究にも応用する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響に伴って研究に大きな制限があったため、当初予定していたような色素タンパク質遺伝子配列の改良や、色素タンパク質のマウス個体への導入はできなかった。研究計画の大きな変更は行わず、次年度以降に方法を改善して上記の研究を行う。
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