2022 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光を発しないGFPホモログ(色素タンパク質)を利用した神経科学研究ツールの開発
Project/Area Number |
20K06867
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
笠原 和起 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 上級研究員 (50344031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 色素タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
イシサンゴやイソギンチャクの仲間が有する色素タンパク質を哺乳類細胞に応用を試みるために、いくつかの色素タンパク質遺伝子を大腸菌を用いて発現させた結果、特に色が濃く、アルデヒドや有機溶媒に強い色素タンパク質として、ハイマツミドリイシAmiCP(濃紺色)を選択することができた。このAmiCP色素タンパク質をマウス脳に子宮内エレクトロポレーションで発現させると、発色のための処置を行わなくてもに通常の白色光下においてマウス脳皮質が紺色に着目した。そこで、Creドライバー依存的にAmiCPが発現するようなマウス個体を作成することを目指した。これまでに世界中で数多くのCreドライバーラインが開発されており、それらと交配させることによって、特定の組織や細胞種をAmiCPで可視化することができるようになる。そのために次のような特徴をもったコンストラクトを作成した。 ◯AmiCP色素タンパク質遺伝子のコドンをマウスにおける発現に最適化 ◯TetOffシステムを内部に利用して単なるCAGプロモーターよりも強力に発現を誘導できる(Ai140 (Addgeneから入手したAi140(TIT2L-GFP-ICL-tTA2) targeting vectorを改変した) ◯Cre/loxPシステムによってCre依存的にAmiCPが発現する ◯マウスゲノムのセーフハーバーサイトTIGREにゲノム編集技術CRISPR-Cas9システムを利用してノックインできる(そのためにホモロジーアームを約800bpずつ付与した) ノックイン個体を得るために、このDNAコンストラクトとCas9-tracrRNA-gRNA複合体をマウス受精卵前核(378個)に微量注入した。生まれてきた14匹の尻尾DNAを解析したが、残念ながら組換え体は1匹も得られなかった。
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