2021 Fiscal Year Research-status Report
The development of detection system for abnormal synuclein using a chaperone-like protein
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20K06887
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
丹治 邦和 弘前大学, 医学研究科, 助教 (10271800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 孝一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50240768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / パーキンソン病 / リン酸化 / シヌクレイノパチー / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
αシヌクレイン(Syn)はパーキンソン病(PD)レビー小体型認知症(DLB)および多系統萎縮症(MSA)の病態に深く関与する分子である。これらの疾患を早期に診断するため、コスト面、簡易さの点から血液中のバイオマーカーが必要とされ、実際に血中や髄液中のSynを指標にした検出キットも市販されている。しかし、健常者の脳にある正常なSynと患者脳内の異常Synを区別できないため検出法の精度が低く、また結果が不安定なため臨床診断に応用するまでには至っていない。 我々はこれまでに異常Synを区別・検出する方法を確立し、異常Synを認識する分子NUB1を同定してきた。また特に異常Synと強く結合するリン酸化NUB1の存在を証明した。そこでこのNUB1を目印にすることで異常Synを検出法の確立を目指している。 これまでに形態的研究を進めてきた。特にMSA患者では異常Synは細胞小胞に包まれていることを見出し、報告した(2021年)。この知見から細胞内外の小胞を回収することで異常Synを濃縮できる可能性がある。実際に複数のグループからこのアプローチ方法がとられており、異常Synの存在が報告されている。これまでに患者血清・脳脊髄液中の異常Synの定量技術確立のため、細胞内外の小胞を回収法の模索を行った。 また上述の手法で回収したサンプルからNUB1を用いて免疫沈降を模索している。さらに より簡易で感度の高い異常Synを区別・検出する方法を見出し、現在さらに改良中である。 最終年度であるため、これまでの知見、開発した技術などをまとめ、プロジェクの総括を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
形態的に特にMSA患者では異常Synは細胞小胞に包まれていることを見出し、報告した。この知見から患者検体サンプルから異常Synを濃縮でき、異常Syn定量評価を行う上で有用である。またより簡易な異常Synの検出法を開発中であり、今後論文として報告予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
NUB1のリン酸化に関してはNUB1の収量が少なく、いまだに行えていない。そのため異常Synの方向からプロジェクトを進めており、最終年度には論文、学会発表などを通じて成果を発表する予定である。
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Research Products
(2 results)