2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規アプタマーを用いたタウ凝集による認知症発症機序の解明
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20K06896
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
添田 義行 学習院大学, 理学部, 助教 (10553836)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タウ / 中間凝集体抗体 / 顆粒状タウオリゴマー |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの神経変性疾患においてタウタンパク質が凝集し、線維化したものが明確な病理変化として観察される。様々なグループの解析から線維形成前に中間凝集体があることが確認され、線維より高い毒性を示すことが報告されてきた。一方、中間凝集体にも多様な構造があるが、本研究の問いは多様なタウ中間凝集体のうちどれが毒性を示すか?であった。本研究では第一にアプタマーを使ってその解明を目指した。さらに、バックアップとして、抗体を使用した検討も併せて進めた。その結果、残念ながら、2022年度の結果も含め総合的に考えると、アプタマーではその解明を目指すことが困難であることがわかった。そこでバックアップの抗体を使った検討を行った。抗体の性状解析を行った結果、タウ中間凝集体のうち顆粒状タウオリゴマーに最も強く結合すること、また、そのエピトープはタウC末端であることを見出した。リコンビナントタウ凝集体を細胞に暴露すると、細胞毒性が起こることが知られているため、抗体によって阻害された凝集体を細胞に暴露し、毒性を観察すれば、毒性に関わる中間凝集体を解明できると考えた。そこで本年度は、抗体処理によってリコンビナントタウが作る凝集体形成を抑制するかを検討した。しかし、抗体は凝集体の形成を抑制することはなかった。したがってこのようなアプローチではない方法を選択し、検討を進める必要性が生じた。抗体がタンパク質を排除するには必ずしもタウ凝集体を阻害する必要はなく、タウ凝集体への結合をすれば良い。そこで、タウ凝集体を細胞内で強制的に作らせる細胞の作製を試みた。その結果、顆粒状タウオリゴマーまで細胞内で形成するモデルの作製に成功した。今後は、中間凝集体抗体を細胞へ暴露するアプローチを試し、タウ中間凝集体の毒性機構解明を目指す。
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[Journal Article] Path integration deficits with phosphorylated tau accumulation in the entorhinal cortex in mice and humans2022
Author(s)
Koike R, Soeda Y, Kasai A, Fujioka Y, Ishigaki S, Yamanaka A, Takaichi Y, Chambers JK, Uchida K, Watanabe H, Takashima A
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Journal Title
Research Square
Volume: -
Pages: -
DOI
Open Access
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