2022 Fiscal Year Research-status Report
Place information coding in the three dimensional environment by the primate hippocampus.
Project/Area Number |
20K06923
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田村 了以 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60227296)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 霊長類 / 海馬 / 3次元環境 / サル / データーロガー / 自由行動下 / ニューロン活動 / 動物位置検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
O’Keefe による海馬場所細胞の発見以来,げっ歯類の海馬における空間認知の神経基盤に関する研究は数多く行われてきたが,霊長類の海馬場所細胞に関する知見は極少数しかない.本研究の目的は,内部構造のある3次元環境内を移動しているサルの海馬からニューロン活動を記録し,動物の移動方向(水平方向 と垂直方向)と場所応答性との関係を明らかにすることである.従来の信号伝送ケーブルを介した神経活動記録は,サルが複雑な構造のある3次元環境内を移動する邪魔になるという問題点がある.昨年度は,本研究代表者が最近開発してきた電池駆動のデータロガー(4チャネルの入力,160~10,00 Hzバントパスフィルター,2,000倍の増幅率,チャネル当たり50 kHzでAD変換,SDカードにデータ保存)を,表面実装品や専用のプリント基板を使うことにより小型軽量・省電力化し,さらにブルートゥースによるデータ転送回路を加え,記録ニューロン波形のモニタリングを可能にした.また,初年度は水平方および垂直方向の移動空間(各々2.4 m)をL字型につなげた3次元環境を作製し,サルのトレーニングを開始していたが,この環境ではサルがL字空間の端まで行くことはほとんどなく実質的な移動距離が短くなることがわかったため,昨年度は,四角いドーナッツ状の3次元環境を完成させた.今年度は,サルに,まずこのドーナッツ状3次元環境を時計回転や半時計回転に移動する行動訓練を行いながら,AIを用いたサルの行動監視システム(サルの位置や頭位方向の同定が可能)を開発した.その後,サルに神経活動記録のためのヘッドキャップ装着手術を施行した上で,現在,ニューロン活動記録位置を正確に推定するため誘発電位マッピングを行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本申請研究のための実験室や動物飼養施設のある医学部研究棟の改修工事が、令和3年の8月から始まりその年度いっぱい継続したこと,また新型コロナウイルス感染症のため、協力して実験を実施する特任助教(アメリカ人研究者)の入国が遅れ、研究の 進捗に影響が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
計画した研究内容を達成するため,1年間研究期間の延長を申請し承認された.この延長期間は,サル海馬からのニューロン活動記録実験を重点的に行い,データ解析や学会での成果発表に注力する.
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】本申請研究のための実験室や動物飼養施設のある医学部研究棟の改修工事が,令和3年の8月から始まりその年度いっぱい継続したことに加え,新型コロナウイルス感染症のため,協力して実験を実施する特任助教(アメリカ人研究者)の入国が遅れて計画していた研究が大幅に遅延したため,研究費の支出も後ずれした. 【使用計画】消耗品費及び謝金として使用する.
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