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2020 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of the mechanism and physiological significance of cortical neural propagation using wide-field two-photon microscope

Research Project

Project/Area Number 20K06934
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

太田 桂輔  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40610382)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords広視野2光子励起顕微鏡 / カルシウムイメージング / 大脳皮質 / 機能的ネットワーク / スモールワールド・ネットワーク / ハブ細胞 / 神経伝播 / スケールフリー・ネットワーク
Outline of Annual Research Achievements

広視野2光子励起顕微鏡により観測された単一神経細胞の活動から、以下の2つの解析を行った。(1) 神経細胞間の機能的結合の推定 覚醒状態のマウスから広視野2光子励起顕微鏡で神経活動を記録した。マウス大脳皮質の神経細胞の多くは、動物の動きに誘発されて活性化することが知られている。我々の実験系においても同様の結果が得られるかどうかを確かめるために、マウスの筋電位計測と2光子励起顕微鏡によるカルシウムイメージングを同時に行った。その結果、筋電位応答を統計的有意に予測できる活動を示す神経細胞は全体の40%以上であることが明らかになった。このような理由から、マウスの動きに由来する神経活動の相関を排除するため、偏相関により機能的結合強度を推定した。3mm以上離れた神経細胞においても、その神経活動は高い相関を示すことが明らかになった。(2) 機能的ネットワーク解析 神経細胞をノード、神経細胞間の機能的結合(偏相関係数が0.4以上)をエッジとしてネットワーク解析を行った。次数分布を描いたところ、分布の裾に存在する100個以上の神経細胞と機能的結合を形成するハブ細胞を見つけることができた。このとき次数分布はロングテール分布の描像を描くが、ベキ分布に従わないことも統計的に示した。これはマウス大脳皮質2層の機能的ネットワーク構造がスケールフリー・ネットワークの特性を有しないことを示す。続いて、機能的ネットワークのクラスター係数と平均経路長を計算した。先行研究に基づいて、これら2つの統計量からSmall-world-nessとSmall-world propensityを求めたところ、マウス大脳皮質2層の機能的ネットワーク構造にはスモールワールド・ネットワークの特性が存在することが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウス大脳皮質の機能的ネットワークに関して次数分布を描いたところ、仮説とおりにロングテール分布となった。そして分布の裾に存在するハブ細胞を同定することに成功した。さらにネットワーク科学の知見に基づいてネットワーク解析を行い、マウス大脳皮質2層の機能的ネットワークは、スモールワールド・ネットワークの特性を有することが明らかにできた。これらの結果は、10,000個以上の神経活動を記録したことで初めて明らかになった研究成果と言える。この研究内容はNeuron誌に掲載されることが決まった。以上の理由により上記の評価とした。

Strategy for Future Research Activity

神経活動に基づく機能的ネットワークは神経活動に依存して決まる。2020年度は覚醒マウスの神経活動から機能的ネットワークを推定したが、今後は外部刺激に高頻度に応答する神経細胞の同定も進める。そして、神経細胞間の機能的結合を偏相関だけでなく、グレンジャー因果やトランスファーエントロピーなど他の手法によって評価することや、大規模なデータの取り扱いを容易にすることを目的として神経活動データの次元縮約法についても検討する予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染防止措置のため一時的に実験を停止したため、消耗品が予定より少量で済んだ(ただし研究自体は滞りなく進めることができている)。また、学会参加に伴う移動も生じなかった。このような理由から当該年度の所要額よりも実支出額は少なくなった。次年度においては、計算機器類の購入に関して視野を広げて、幅広く研究を遂行する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Fast, cell-resolution, contiguous-wide two-photon imaging to reveal functional network architectures across multi-modal cortical areas2021

    • Author(s)
      K. Ota, Y. Oisi, T. Suzuki, M. Ikeda, Y. Ito, T. Ito, H. Uwamori, K. Kobayashi, M. Kobayashi, M. Odagawa, C. Matsubara, Y. Kuroiwa, M. Horikoshi, J. Matsushita, H. Hioki, M. Ohkura, J. Nakai, M. Oizumi, A. Miyawaki, T. Aonishi, T. Ode and M. Murayama
    • Journal Title

      Neuron

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1016/j.neuron.2021.03.032

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Wide Field Two-photon Excitation Microscope for <i>In Vivo</i> Calcium Imaging with Single Cell Resolution2020

    • Author(s)
      Ota Keisuke、Ode Takahiro、Murayama Masanori
    • Journal Title

      The Brain & Neural Networks

      Volume: 27 Pages: 55~65

    • DOI

      10.3902/jnns.27.55

    • Open Access
  • [Remarks] 脳の宇宙を捉える顕微鏡

    • URL

      https://www.riken.jp/press/2021/20210420_1/index.html

URL: 

Published: 2021-12-27  

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