2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism and physiological significance of cortical neural propagation using wide-field two-photon microscope
Project/Area Number |
20K06934
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 桂輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40610382)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 2光子励起顕微鏡 / カルシウムイメージング / 大脳皮質 / カルシウムセンサー / アデノ随伴ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
広視野2光子イメージング法と2光子顕微鏡で取得されたデータ解析手法に関して、次の3つの論文を発表した。(1) 広視野2光子イメージングにおいて観察視野全域の神経細胞にカルシウムセンサーを発現させなければならない。申請者らは、新生児マウスの大脳皮質にカルシウムセンサーを発現させるアデノ随伴ウイルス(AAV)をインジェクションする手法を開発した。本手法に関して実験手技とデータをまとめてSTAR Protocolsに発表した。申請者は責任著者の一人として論文構成に携わった。(2) 大脳皮質の機能的ネットワーク特性を理解するためには協調的に活動する神経細胞集団を同定する必要がある。申請者は共同研究によりベイズ手法に基づいた統計モデルとマルコフ連鎖モンテカルロ法を利用して、神経活動データから同期活動を示す神経細胞集団を同定する手法を構築した。従来手法と比べて計算コストを押させることが可能となり、大規模データに対しても適用可能であることを明らかにした。Journal of Statistical Mechanicsに発表した。(3) 2光子イメージングにより取得したデータから神経活動を抽出するためには、その取得データから神経細胞を同定する必要がある。この手続きを細胞検出と呼ぶ。これまでに発表された細胞検出法、特に非負値行列因子分解(NMF)を利用した細胞検出法に関する総説の執筆に共著者として参加した。Neuroscience Research誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度終了時に本申請課題の大枠は完成している。本年度は神経活動の伝播や相互作用をより正確に定量化することを目的として、高感度・高速カルシウムセンサーXCaMPシリーズを利用した神経活動記録を開始した。具体的にはSTAR Protocolに発表した手法を利用して大脳皮質広域にXCaMPを発現させた。マクロズーム顕微鏡、2光子顕微鏡を利用して自発活動、感覚刺激に対する神経応答を記録できることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は覚醒マウスの神経活動から機能的ネットワークを推定した。2021年度はより神経細胞の活動タイミングをより正確に抽出するために高感度・高速カルシウムセンサーXCaMPの利用を開始した。XCaMPを利用したイメージングにより外部刺激に高頻度に応答する神経細胞を同定したが、再現性を確認するため引き続き実験を行う。さらに細胞間相互作用を評価する統計的手法の構築にも積極的に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染防止措置のため実験規模をわずかに縮小したため、消耗品が予定より少量で済んだ(ただし研究自体は滞りなく進めることができている)。また、学会・研究会の多くがオンライン参加となり旅費が当初の予想よりも少額となった。このような理由から当該年度の所要額よりも実支出額は少なくなった。次年度においては、幅広く研究を遂行する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Fast and wide field-of-view two-photon imaging with a single-cell resolution to reveal functional network proprieties.2021
Author(s)
Keisuke Ota, Yasuhiro Oisi, Muneki Ikeda, Yoshiki Ito, Hiroyuki Uwamori, Kimura Shun, Kenta Kobayashi, Yoshinori Kuroiwa, Masaru Horikoshi, Junya Matsushita, Hiroyuki Hioki, Masamichi Ohkura, Junichi Nakai, Koujin Takeda, Masafumi Oizumi, Atsushi Miyawaki, Toru Aonishi, Takahiro Ode, Bito Haruhiko, Masanori Murayama
Organizer
第44回 日本神経科学大会
Int'l Joint Research
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[Presentation] Fast, cell-resolution and wide field-of-view two-photon imaging to reveal functional small-world networks of the cortex2021
Author(s)
K. Ota, Y. Oisi, T. Suzuki, M. Ikeda, Y. Ito, T. Ito, H. Uwamori, K. Kobayashi, M. Kobayashi, M. Odagawa, C. Matsubara, Y. Kuroiwa, M. Horikoshi, J. Matsushita, H. Hioki, M. Ohkura, J. Nakai, M. Oizumi, A. Miyawaki, T. Aonishi, T. Ode, M. Murayama
Organizer
EMBL Symposium: Seeing is Believing
Int'l Joint Research
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