2020 Fiscal Year Research-status Report
ベンザインの位置選択的連続型環化反応を機軸とする生物活性アクリドンの合成研究
Project/Area Number |
20K06950
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
片川 和明 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (90433606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 仁司 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (10594640)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ベンザイン / 連続環化 / アクリドン / 全合成 / クロロスペルミン / キナーゼ阻害 / ケミカルプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の制約 (主として出勤の原則禁止、オンライン講義対応) の大きい状況下ではあったが、N-メチルアントラニル酸メチルとベンザインとの連続型環化反応によるアクリドン類の一般的合成方法の確立を目指し、反応条件と後処理の検討を行った。これまではフッ化物イオン源としてテトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリカート (TBAT) のみを用いてきたことから、他のフッ化物イオン源を試すことにした。フッ化カリウムとクラウンエーテルの組み合わせ、テトラブチルアンモニウムフルオリドおよびフッ化セシウムをそれぞれ用いて検討したところ、いずれにおいても目的のアクリドンは生成せず、N-メチルアントラニル酸メチルをほぼ定量的に回収する結果となった。このことから、フッ化物イオン源としてはTBATが最適であると判断した。次に後処理の検討を行った。これまでは反応終了後に反応液をそのままショートカラムに付し、溶出液を濃縮してNMR収率を算出していた。この方法ではカラムを通すことによる化合物の損失が懸念され、また単離収率を算出するために再度のカラム精製が必要となるなど、操作が煩雑となっていた。そこで反応液をエバポレーターにて濃縮する方法に変更し、それぞれの後処理におけるNMR収率の比較を行った。その結果、目的物のNMR収率に変化は見られず、後処理の簡略化が可能であることが明らかとなった。以上のようにフッ化物イオン源と後処理方法について確立することができたため、今後は基質一般性についての検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度はコロナ禍の影響が非常に大きく、主として出勤が厳しく制限され、またオンライン講義の対応に膨大な時間を割かねばならず、研究に従事できる時間が非常に限られることとなった。昨年度は本来であればアクリドン合成の一般的手法を確立し、比較的単純なアクリドンアルカロイドの合成へと展開する予定であったが、いまだ一般的合成法を確立したとは言い難い。そのような状況下ではあるものの、フッ化物イオン源としてTBATが最適であることをつきとめ、また後処理の簡略化により効率化がはかれることを見出すことができた。今後は基質一般性を早急に確認し、当初の研究計画に近い進捗状況となるようにしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響がいまだに大きく、異動先である湘南医療大学薬学部の校舎建設にも影響しており、状況としては芳しくない。今後の状況次第ではあるものの、基本的には研究計画を後ろ倒しとし、期間の1年延長を考えている。研究室の準備が整い次第、湘南医療大学にて研究に着手するが、それまでの期間は前所属等に出向いての実験を模索する。幸い、湘南医療大学薬学部は1年次生しかおらず、今年度は担当講義も多くないことから、研究に割ける時間は多いと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響が非常に大きく、出勤が厳しく制限され、またオンライン講義の対応に膨大な時間を割かねばならず、研究に従事できる時間が非常に限られたことが主な理由である。令和3年度も依然として困難が予想されるが、令和2年度に計画した研究を速やかに進行させ、令和3年度に計画している研究へと移行させる。令和2年度に購入予定であったフロー合成装置は令和3年度に購入して使用する計画である。
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Research Products
(5 results)