2021 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis and biological properties of naturally-occurring highly ordered quinoidal pigments
Project/Area Number |
20K06955
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
北村 圭 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (00756695)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクスホリアマイシン / C-グリコシド / 複合構造 / 二量体 / ピラノナフトキノン |
Outline of Annual Research Achievements |
複合構造からなる芳香族ポリケチド化合物として1)アブラムシの生産する二量体天然物ウロロイコナフィン類および2)放線菌から単離されたC-グリコシド化合物エクスホリアマイシンの合成研究を行った。 1)前年度までにHauser-Kraus反応を鍵とする単量体化合物の合成に成功したので、今年度は単量体間の結合部分に相当する第三級アルコールの立体選択的構築を検討した。当初、単量体同士を直接結合させることを試みたが反応点周辺の立体障害のため、目的とする反応は進行しなかった。そこでピラノナフトキノン構造上の水酸基を足掛かりに、もう一方の単量体化合物から誘導したカルボン酸を山口エステル化あるいは光延反応により導入し、分子内反応による第三級アルコールの合成を計画した。今年度はそのモデル実験として単環構造からなる安息香酸誘導体を単量体構造と結合させ、分子内求核付加を行うための反応基質を合成した。 2)エクスホリアマイシンはD-リボースがピラノナフトキノンに対してC-グリコシド結合した天然物であり、パーキンソン病など神経変性疾患の候補治療薬としての利用が期待される。今年度はまずアグリコン部に相当するピラノナフトキノンの立体選択的合成を検討した。すなわち、アセチルフランの遷移金属触媒を用いた不斉還元を経て誘導される光学活性エノンとフタリドとのアニオン環形成反応により、母核構造に相当する三環化合物を合成した。続く立体選択的な官能基導入と酸化反応によりアグリコン部を合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)二量体形成の新しいアプローチとして分子内反応による第三級アルコールの構築を計画し、今年度はモデル化合物の合成を行なった。 2)C-グリコシド化合物であるエクスホリアマイシンの合成研究を開始し、今年度はアグリコン部の不斉合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の知見を踏まえ、引き続きウロロイコナフィンの全合成に向けた検討を行う。また、これまでに得られたアブラムシ色素の化学変換の知見を活用し、ピラノナフトキノン二量体化合物の系統的合成に展開する。さらに天然および非天然誘導体の抗菌活性試験ならびに細胞毒性試験を実施する。
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