2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mesurement of nucleic acid medicine in biomaterials by enzymatic amplification methods
Project/Area Number |
20K06991
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
張替 直輝 日本大学, 薬学部, 教授 (90454743)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核酸医薬品 / 遺伝子増幅法 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、アルカリ性の試薬を用いた簡易核酸抽出キットで血清を前処理することで、遺伝子増幅法であるLigase Detection Reaction(LDR)によって血清中の核酸医薬品Fomivirsenを定量的に検出することができた。本年度、この前処理法を用いたFomivirsenの検出法を学術学会で発表した。そして、これらの結果を元に本年度は、LDRによる血液中の核酸医薬品Nusinersenの定量法を検討した。まず、アルカリ性試薬の簡易核酸抽出キットを用いて前処理した血清試料で検討したが、LDRでNusinersenを検出する際のCt値が高い値となった。この現象は前処理した血清試料を希釈しても生じ、定量的に検出するこができなかった。そこで、固相抽出した血清試料で検討したところ、血清中のNusinersenを0.8~100 nMの濃度で定量的に検出することができた。そこでこの方法を用いて、マウスにおけるNusinersenの血中濃度解析を行った。7.5μgのNusinersenをマウスの髄腔内に単回投与し、0、1、2、4、6時間後に採血した。それらの血漿試料を今回の方法で測定したところ、投与後1時間で17 nM、2時間で6.8 nMのNusinersenが検出され、4時間以降は検出されなかった。これらの結果から、今回開発した方法が実際の血中濃度解析にも応用できることが明らかとなった。また、本年度はLDR以外の遺伝子増幅法による核酸医薬品の検出法としてデオキシウリジンプローブを用いた方法についても学術論文として発表した。これらの遺伝子増幅法を用いた核酸医薬品の測定法は、FomivirsenやNusinersen以外の他の核酸医薬品にも応用可能であり、高感度で簡便な測定法として有用と思われる。
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