2023 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパク質量の増減による、筋萎縮性側索硬化症ALSの治療法開発
Project/Area Number |
20K07016
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
築地 仁美 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (40455358)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | TDP-43 / FUS / ALS / Ataxin-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症ALSでは、RNA結合タンパク質群であるTDP-43、FUS、Ataxin-2の異常が発症と病態悪化に寄与することが知られている。本研究では、これらタンパク質の発現を制御したマウスを複数系統作成し、掛け合わせることで、ALS病態への寄与を解析した。まずALS変異を持つFUSのトランスジェニックマウスを作成し、早期にALS病態を再現するALS病態マウスを作成した。このマウスとマウスFUSノックアウトマウスを掛け合わせたところ、クラスピングで示される神経異常や生存率に改善傾向が見られた。内在性FUSは野生型であるが、野生型FUSの減少もALS変異FUSトランスジェニックマウスの病態を改善しうることが判明した。またこのマウスの変性運動ニューロンでは変異FUSが蓄積するとともに、運動ニューロンの生存に必須なタンパク質であるSurvival of motor neuron(SMN)タンパク質の異常が観察されたことから、SMNタンパク質の病態への寄与が示唆された。 一方、Ataxin-2の発現抑制は、ALS変異を持つTDP-43トランスジェニックマウスの病態を改善することが示されている。そこで、TDP-43と類似の構造・機能を持つFUSに着目し、変異FUSにより引き起こされるALS様病態にも同様の効果があるかを検証した。具体的には、ALS変異FUSトランスジェニックマウスに、Ataxin-2ノックアウトマウスを掛け合わせ、病態改善が起こるか検証した。脊髄運動ニューロン数やSMNタンパク質異常は改善傾向にあったが、ロタロッド試験では運動機能の悪化が見られた。
|