2022 Fiscal Year Research-status Report
カルパインの酵素活性異常を介した難治性皮膚炎発症の分子機構解明
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20K07044
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
秦 勝志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主席研究員 (10392375)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カルパイン / 皮膚炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Capn8-Tgマウス(Capn8-Tg)の乾癬発症という表現型発見を契機に、乾癬発症におけるカルパインCAPN12の役割を解明し、新規治療法開発に繋がる分子基盤の確立を目指すものである。乾癬は表皮細胞の増殖・分化異常、リンパ球の浸潤などを所見とする疾患である。遺伝子や環境因子の複合要因のもと、表皮細胞と免疫細胞との相互作用が病態の中心と考えられているが、発症機序は未だ不明な点が多い。本年度は下記(1)と(2)を行った。 (1)皮膚マイクロアレイ解析によって、Capn8-Tgマウスの病態が、CAPN8による表皮細胞の増殖または分化異常が引き金であることを示唆する結果を昨年度までに得ることができたため、本年度はこの詳細を細胞レベルでさらに解析した。プライマリー表皮細胞を単離し、この未分化状態及び分化状態の細胞を用いて各種遺伝子のqPCR解析を行った。その結果、Tgマウス由来のプライマリー細胞ではあらゆる分化マーカーの発現が亢進していることから、Capn8-Tgマウスの表皮細胞では発現するCAPN8の作用で細胞分化が亢進することが示唆された。 (2)乾癬患者皮膚におけるカルパイン遺伝子群のqPCR解析を開始した。解析に供した検体数が少ないため、有意に発現量が変化する遺伝子はまだ同定できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Capn12KOマウスおよびCapn8-Tgマウスの皮膚やプライマリー表皮細胞のショットガン質量分析やマイクロアレイ解析を行い、CAPN12が作用するシグナル経路の同定を目指す。
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Causes of Carryover |
これまでの解析で使用した試薬類、マウス、培養細胞の費用を想定より抑えることができたため次年度使用額が生じたが、今後行うマイクロアレイ解析とプロテオーム解析に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)