2021 Fiscal Year Research-status Report
メトトレキサートによる臓器障害を規定する薬物動態制御因子の薬理遺伝学的解析
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20K07063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳴海 克哉 北海道大学, 薬学研究院, 講師 (90746752)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メトトレキサート / アルデヒドオキシダーゼ / 一塩基多型 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、メトトレキサート(MTX)による副作用発現の個人差に焦点をあてその要因を明らかにすることを目的とした。これまでにヒト肝由来細胞株を用いた検討においてMTX誘発性肝障害は、アルデヒドオキシダーゼ1(AOX1)の機能低下により増強される可能性が示された。そこで、AOX1酵素活性の個人差を明らかにするため複数のデータベースよりアレル頻度の高いrSNPおよびcSNPを抽出し、各SNPの機能解析を行った。その結果、一つのcSNPにおいてAOX1ダイマー形成能の低下に伴う酵素活性の減少が認められた。したがって、このSNPがMTXを含むAOX1基質薬の治療効果または副作用発現に影響を及ぼす可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vivo実験も予定しているが、実験条件の設定に時間を要しており評価に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivo/ex vivoでの評価を進め、MTX/7-OH-MTX動態と肝障害との関連性を明確にする。また、今回見出したcSNPのMTX治療における臨床的意義を明らかにするため、ヒトサンプルを用いたSNP解析を並行して進める。
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Causes of Carryover |
最終的な使用額の調整不足により、若干の次年度使用額が生じたが消耗品で調整する予定である。
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