2022 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝疾患において発現が増加するmiRNAの機能解析
Project/Area Number |
20K07065
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Research Institution | Chugoku Gakuen University |
Principal Investigator |
田中 徹也 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授(移行) (10346380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 貴行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30378286)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NAFLD / miRNA / 遺伝子発現制御 / adipocyte |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、軽度の脂肪肝から炎症や線維症を伴う重度の脂肪性肝炎までの症状を示す。調節不全脂質代謝と脂質沈着の調節不全 が、NAFLD病因の初期段階に起こる現象としてよく知られている。これまでに、miR-199a-3pとmiR-126-3pがNAFLD患者の肝臓組織でアップレギュレーションされていることを見出した。本研究課題では、脂肪細胞の分化と脂質代謝に関連する遺伝子発現におけるmiRNAの影響を調査・検討した。コンフルエントなマウス3T3-L1前脂肪細胞へmiRNAをLipofectamine RNAiMAXによりトランスフェクションし、細胞をインスリン、デキサメタゾン、3-イソブチル -1-メチルキサンチン、およびロシグリタゾンによって3日間分化させたのちに、細胞内脂質沈着とmRNA発現を、それぞれオイルレッドO染色と定量的RT-PCRによって分析した。 miR-199a-3pとmiR-126-3pはどちらも、対象群miRNAと比較して脂肪細胞への分化が促進された。定量的 PCR による遺伝子発現解析およびウエスタンブロッティ ングによるタンパク質発現解析結果、これらのmiRNAが、CCAAT /エンハンサー結合タンパク質-α(C /EBPα)を増加させ、低酸素誘導因子(HIF)-1αの発現を 減少させていることを明らかにした。 従って、miR-126-3p および miR-199a-3p が、HIF-1α および/または C/EBPα mRNA 発現の制御を通じて 3T3-L1 脂肪細胞における脂肪滴形成を促進するという結論を得て、この結果を日本薬理学会で発表するとともに、Shimane J. Med. Sci. に投稿し、現在印刷中である。
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Research Products
(2 results)