2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and functional analysis of p300 regulatory factors involved in the development of heart failure using medical proteomics
Project/Area Number |
20K07070
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森本 達也 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50390779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 陽一 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30466297)
宮崎 雄輔 静岡県立大学, 薬学部, 客員共同研究員 (40803466)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / ヒストンアセチルトランスフェラーゼ / p300 / 結合タンパク / 心臓リモデリング / 心臓線維化 / 心臓特異的ノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全マウスと正常マウスの心臓からp300複合体を精製し、p300との結合が変化する蛋白の同定を行い、195個の新規p300結合タンパクを同定した。なかでも新規p300結合タンパク質1(p300BP1)の培養心筋細胞や培養心線維芽細胞における役割を検討した。その結果、p300BP1をノックダウンすると、フェニレフリン刺激による心筋細胞肥大やTGF-β刺激による心臓線維芽細胞の増加を抑制することが明らかとなった。 次に、生体内でのp300BP1の心不全に対する役割を検討するために、p300BP1を心臓でノックアウトした遺伝子改変(p300BP1-cKO)マウスを作成した。このp300BP1-cKOマウス及びcontrolマウス14週齢時点での、心臓超音波解析、血圧、体重測定を行った。左室の収縮能の指標である左室内径短縮率(fractional shortening ; FS)、左室駆出率(ejection fraction:EF)、心拍数、各血圧や体重において有意な差は無かった。以上の結果、p300BP1-cKOマウスは通常飼育下において特にフェノタイプを示さなかった。 さらにこのマウスに大動脈縮搾術(TAC)を行い、心不全の発症、進展に対する役割を検討した。7~9週齢 (体重20~23 g) の雄性p300BP1-cKOマウスおよびcontrolマウスにTAC及びSham手術を施した。手術6週間後に心臓超音波検査を行い、心機能を評価した。左室後壁厚はTACにより有意に肥厚が起きたが、p300BP1-cKOマウスではその肥厚は有意に抑制された。また、心収縮能の指標であるFSはTACにより有意に低下したが、p300BP1-cKOマウスではその低下は有意に抑制された。 今後さらに検討することにより、p300BP1/p300経路を制御する化合物が新規心不全治療薬となる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)