2021 Fiscal Year Research-status Report
視床下部神経の形成と摂食調節における分泌タンパク質Brorinの機能解明
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20K07083
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
三宅 歩 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (40346044)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摂食 / 視床下部 / エネルギー代謝 / 脂肪組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
Brorin は視床下部の弓状核に高発現しており、Brorin遺伝子欠損マウスは野生型マウスと比べて5週齢から体重が増加することが分かっている。さらに、Brorin遺伝子欠損マウスでは摂食量も野生型マウスと比べて有意義に増加していることが分かっている。また逆転写qPCR法により、22週齢のBrorin遺伝子欠損マウスでは視床下部において摂食促進ペプチドであるAgRP及びNpyの発現量が野生型マウスに比べて有意に増加し、また摂食抑制に関与する遺伝子POMCの発現量もBrorin遺伝子欠損マウスの視床下部において増加傾向を示すことも分かっている。 昨年度までに申請者らは、in situ hybridization法により22週齢のBrorin遺伝子欠損マウスの弓状核においてNpyの発現領域に変化は見られないが、面積あたりの発現細胞数及び相対発現強度が野生型マウスに比べて増加していることを明らかにしている。Npyと同様に、Brorin遺伝子欠損マウスの弓状核におけるAgRP及びPOMC の発現についても相対発現強度に差は認められないが、面積あたりの発現細胞の数は共に有意に増加していることも明らかにしている。 今年度は、エネルギー代謝におけるBrorinの機能について明らかにするために、Brorin遺伝子欠損マウスの腸管膜脂肪組織におけるエネルギー代謝関連遺伝子の発現量について変化の有無を検討した。その結果として、Brorin遺伝子欠損マウスではLeptin、Adipokine、Dgat2、Hsl及びPlin1の発現量が野生型マウスに比べて有意に増加しており、脂質代謝に変化が生じている可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した研究実施計画に沿って研究を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究推進方策に従い、弓状核の神経細胞分化と摂食調節におけるBrorinの役割について明らかにする。
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Causes of Carryover |
機器の一部が故障して新しく機器を購入する必要が生じたが、当該年度の残金では不足しており購入できなかった。また、来年度の予算内で購入することができるかも不明だったため、繰り越して4月以降に新しい機器を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)