2023 Fiscal Year Research-status Report
再生医療・細胞治療における安全性向上を目指した腫瘍形成制御法の開発研究
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20K07095
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田原 強 徳島大学, 先端研究推進センター, 准教授 (20419708)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 再生医療 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度において、未分化特異的遺伝子であるNanog遺伝子の上流領域をクローニングに成功し、ルシフェラーゼアッセイ、ウエスタンブロット解析を行った結果、その上流領域ががん細胞において、特異的に機能することを明らかにした。 令和5年度は、Oct3/4遺伝子プロモーターとNanog遺伝子プロモーターのどちらがより特異的にがん細胞もしくは未分化細胞において機能するプロモーターであるかの解析を行った。Oct3/4あるいはNanogプロモーター領域下でルシフェラーゼ遺伝子が発現するベクターをマウス胚性幹細胞細胞EB5株に導入し、安定的発現株の樹立を行った。これらの発現ベクターは、未分化細胞において駆動するため、分化をさせることで、その発現が抑制されることを調べることで、より未分化細胞特異的なプロモーターの見極めることとした。EB5細胞を神経細胞へ分化させた後、発光イメージングおよび免疫組織化学的検討を行った。その結果、この実験系では、いずれも分化に伴い、ルシフェラーゼの活性および発現が抑制が認められたものの、有意な差は認められなかった。今後は、より詳細な検討および動物を用いた移植実験・in vivoイメージングを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
徳島大学への所属移動およびコロナ感染症対策により、また、未分化細胞特異的なプロモーター領域のクローニングに予定以上に時間を要してしまったため、当初計画より進捗が遅れている。現在、少しずつ取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の目的である未分化細胞特異的なプロモーター領域のクローニングが実質完了し、現在細胞の分化に伴う発現検討を行っている。今後、未分化細胞特異的なプロモーターの見極めを行うために、より詳細な検討を実施する。また動物への移植実験も予定している。
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Causes of Carryover |
予定していた動物を用いたin vivo実験を実施する時期ではあったが、実験の進捗が遅れため、次年度使用の繰越額が生じた。 繰越額については、未分化細胞特異的プロモータ領域依存的に発現するHSV-TK発現ベクターの機能解析のための細胞実験および動物実験に使用する予定である。
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