2022 Fiscal Year Research-status Report
トランスジェニック線虫を用いた生薬の機能性評価法の検証
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20K07100
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉本 幸子 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (60549012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 喜 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (70650597)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 線虫 / TJ356 / CL4176 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、トランスジェニック線虫を利用した活性評価法を通して、生薬の新たな機能性を発見することと、その生物活性物質を単離し、作用機序を解明し、動物実験における効果を確認することにより、本研究で用いる活性評価法が化合物の臨床的有効性の評価法として適しているかを検証することである。本研究で用いる素材は医食同源の観点からセルフメディケーションでの利用も可能であることから、本研究成果が国民の健康や医療に貢献できる可能性が高まると考えている。本研究では機能性評価系として、ヒト病態モデルとして作成されたトランスジェニック線虫であるCL4176 (抗アルツハイマー) とTJ356 (抗老化作用)を利用した活性試験法を用いる。本研究ではこれらの評価系を用いて生薬の機能性を見出し、その生物活性物質の単離を行うと共に、動物実験に供することで臨床的有効性を確認し、研究目的を達成する。これまでにTJ356株を用いて抗老化作用を試験しており、スクリーニングで3種まで絞った素材の中から1種にしぼり、それについてメタノールで抽出し、各種溶媒分配を行い酢酸エチル可溶画分に活性の集約が認められたため、オープンカラムクロマトグラフィーを行い、活性フラクションを見出し、HPLCを用いてTJ356株に対して2種フェナントレン類の活性化合物を単離し構造決定を行った。また、70種の生薬エキスをヒトAβを発現するトランスジェニックC.elegans(CL4176株)を用いたスクリーニングにかけ活性評価を行い、一種の生薬からその活性化合物としてセサミンを単離・同定した。なお本生薬からのセサミンの単離報告は本研究が初めてとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題で用いる生物モデルである線虫は米国ミネソタ大学にあるCaenorhabditis Genetics Center (CGC)より購入しているが、COVID-19の影響で供給が制限されており、以前であれば発注一週間後には到着していたが、現在も輸送に問題があることから1か月ほどかかることと、それに付随して実験に使えない状態で線虫が到着している。このようなことから当初の計画より進捗が遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
C.elegans(CL4176株)を用いたエキスの活性評価にて、セサミン以外にも麻痺を抑制するフラクションが確認されていることから、今後はそれら活性の見られるフラクションに対してさらにHPLCを行い化合物を単離し、NMRなどを用いて構造を決定する。CL4176株では毒性を示さないが、野生株では示す可能性もあるので、毒性についても検討していく。さらにのアミロイドβの線維形成を抑制する機能をもつかどうかも走査電子顕微鏡(SEM)を用いて検討する。
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Causes of Carryover |
米国からのC.elegansの到着に時間がかかることと、学内業務にかなり忙しかったため、本申請課題への研究時間の獲得が非常に困難であったため。 今年度使用予定であった計画通り、活性化合物の単離とその構造決定などに使用する。
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