2021 Fiscal Year Research-status Report
Production of catalytic antibody for Pictet-Spengler reaction and its application to medicinal plant breeding
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20K07101
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂元 政一 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (50610177)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストリクトシジン / モノクローナル抗体 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
テルペンインドールアルカロイド(TIAs)は天然由来のアルカロイド群に属し、その多くが医薬品のリード化合物となっている。ストリクトシジン(SS)は、全てのTIAsに共通の前駆体であり、セコロガニン(SECO)とトリプタミン(TPA)の縮合反応であるPictet-Spengler反応により生合成される。本研究では、高い親和性と特異性を併せ持つ触媒抗体に着目し、全TIAsの中心を担うPictet-Spengler反応を触媒する抗体の作製を行うと共に触媒活性の高い抗体のみを効率的に選抜するスクリーニング法の開発を行う。 触媒抗体の効率的なスクリーニング方法の確立には、SSを特異的に認識する抗SSモノクローナル抗体が必要である。そこで、これまでにSECOとTPAからSSを産生可能なSS合成酵素(SSS)のクローニングを行い、大腸菌を用いた発現に成功している。今年度は、反応系をスケールアップし、モノクローナル抗体の作製に必要なSSを得ることには成功したものの、SSに対する特異的な抗体を産生することが出来なかった。 また、SECOとTPAにおける遷移状態アナログ(TSA)の調製において、モノクローナル抗体の産生に必要な純度が高いTSAを十分量得ることが出来なかった。 SSとTSAの抗体の作製は本課題の鍵を握っている。最終年度は、それぞれに対し特異的な抗体を作製し、本課題の目的達成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、抗SS抗体の作製とTSAの調製を行った。抗SSモノクローナル抗体の調製では、本研究に必要不可欠なSSの調製に時間を要した。特に、SSへの変換を触媒するSSSの大腸菌発現系の構築では、SSSの低い発現量の向上を目指し、ベクターや発現時間、大腸菌株の検討に多くの時間を要した。更に、TSAの調製においては、Borch還元における副生成物の除去の検討に多くの時間を要している。このことより当初計画と比べやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗SS抗体の調製では、カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて調製したSS-牛血清アルブミン(BSA)コンジュゲートを免疫原として用いたもののSSを認識する抗体産生が認められなかった。セコイリドイド配糖体に対する特異的な抗体の作製には、CDIを用いることが効果的であることは既に見出している。今回の結果は、免疫原に結合するSSの数が少ない(1以下)ことが原因であると思われる。そのため、より免疫応答が強く、SSの数の向上が見込めるカチオン化BSAを用いて免疫原の調製を行う。 免疫原は、特異的な抗体を作製する上で最重要検討事項である。キャリアタンパク質を変更することで問題点の解決を図る。
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