2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of new breed inherited Kaga Ouren
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20K07112
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安藤 広和 金沢大学, 薬学系, 助教 (00768731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 雅史 城西大学, 薬学部, 准教授 (10825392)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オウレン / アルカロイド / 色彩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は漢方生薬「黄連」の原植物の育種に関する研究である。今年度は各系統の品質評価を実施した。まず,これまでに開発した系統鑑別法を実施し,キクバオウレン29個体,セリバオウレン27個体,両者の交雑種27個体を分類した。次に各系統の含有成分に着目し,ベルベリン系アルカロイドの定量を行った。その結果,Berberine,Jatrorrhizine,Palmatine含量の差異は認められなかったが,各系統間でCoptisine含量が大きく異なっていた。Coptisine含量はキクバオウレンが最も高く,セリバオウレンが最も低く,交雑種はその中間の値であった。また,各系統の色彩を調査するため,根茎粉末を用いて色彩を測定し,L*,a*,b*表色系で数値化した。その結果,全ての系統でL*,b*は高い値を示し,差異は認められなかったが,各系統間でa*値が大きく異なっていた。さらにCoptisine含量とa*値を解析すると,両者には正の相関が認められた(r=0.918,P<0.01)。また,キクバオウレンのCoptisine含量は概ね0.48-1.28%の範囲であり,セリバオウレンは0.05-0.32%であるが,交雑種では0.07-0.27%のグループと0.51-0.95%のグループに明確に分かれていた。a*値も同様の傾向を示していることから,交雑種は含有成分において,キクバオウレンとセリバオウレンの中間の値をとるのではなく,キクバオウレンの性質に近いものとキクバオウレンの性質に近いものが存在しているものと考えられる。すなわち,各系統の特徴として,キクバオウレンはCoptisine含量が高く,根茎の色彩は赤みが強い,セリバオウレンはCoptisine含量が低く,根茎の色彩は赤みが弱い,交雑種はキクバオウレンに近い個体とセリバオウレンに近い個体が存在することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は各系統の品質評価を実施した。まず,含有成分の分析においては,主要な成分であるベルベリン系アルカロイドを定量した。さらに,根茎粉末の色彩を測定することにより,含有成分と色彩における各系統間の差異を明らかにした。医薬品である黄連の成分分析は品質評価において不可欠であり,これまで不明であったキクバオウレンとセリバオウレン含有成分における差異が明らかになった。また,根茎の色彩は最終産物である漢方薬などの製品の品質に大きな影響を及ぼすことから品質評価の重要な項目である。 以上,今年度の成果より概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,次年度は栽培研究における成果が重要であると考えている。 初年度にDNA解析によって系統分類を行い,薬用植物園にて栽培している個体を用いて栽培特性などの特徴を明らかにし,評価する予定である。また,今年度分析対象としたベルベリン系アルカロイド以外の成分も分析対象とし,これまでの研究成果と合わせて新品種の開発を実施する。
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Research Products
(1 results)