2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the diversity and the origin of terpenoids in soft corals and sponges
Project/Area Number |
20K07114
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
田中 淳一 琉球大学, 理学部, 教授 (20163529)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テルペノイド / 海綿 / ソフトコーラル / テルペン環化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去2年間は主にテルペノイドを含む海綿のメタゲノム遺伝子の抽出条件に関連する実験を行ったので、本年度は新たに着任した城森助教が中心となり、ソフトコーラルのテルペン関連遺伝子を研究対象とした。 すでに様々な生物に由来するテルペン生合成遺伝子については報告があるものの、ソフトコーラル由来のテルペン生合成遺伝子は令和4年度当初まだ報告されていなかった。共同研究者(前川教授、戸村博士)とともに過去に行ったウミキノコSarcophyton属由来のRNAseqの結果にアクセスできたことから、相同性検索により調べたところ、テルペン環化酵素候補を見いだした。 しかし、この研究途中で2つのアメリカのグループ(Schmidtら、Mooreら)により数種のソフトコーラルのテルペン環化酵素の発現、機能、構造等が報告されてしまったため、方針を少し変更した。これまで当研究室では、含有テルペン類、遺伝的多様性、形態的多様性の観点からSarcophyton属ソフトコーラルを研究対象としてきたことから、これらのテルペン生合成遺伝子について多様性の観点から検討することとした。 そこで、新規に沖縄沿岸で採集した複数のSarcophyton属ソフトコーラルを含有成分とともに調べたところ、含有成分に関係なく2つのテルペン環化酵素推定遺伝子をもっていた。これらについては、大腸菌の異種宿主発現系を用いて調整した組み換えタンパク質を用いて機能の確認をしたところ、組み換えタンパク質が基質を環化することが明らかになった。現在、これらの生成物の構造の同定している。 しかし、この報告書作成時点では、ソフトコーラル類のテルペン生合成遺伝子と含有テルペン類の多様性の詳細について、まだ明らかにできていない。
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