2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症治療薬を目指した微生物由来軟骨分化促進物質の探索
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20K07115
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大手 聡 北里大学, 薬学部, 助教 (00547979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 天然物 / 軟骨分化 / スクリーニング / 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では微生物資源を対象に、軟骨分化促進化合物の探索を実施し、その作用機序解析を行い、最終的に変形性関節症治療薬のリード化合物を目指す。軟骨は発生における骨格形成に重要なだけでなく、関節の保護や骨折治癒に関与する重要な組織である。関節軟骨は関節の保護を担う結合組織で、その変性により発症する変形性関節症は高齢化社会における要介護原因の第 4 位となっている。従って、軟骨形成を促進する化合物は変形性関節症の治療薬につながると考えられるが、現在までその治療薬は開発されていない。本研究ではまず、軟骨分化を簡便に測定できる細胞評価系を構築し、微生物資源を対象に軟骨分化を促進させる 低・中分子化合物(本研究では活性を示す場合、機能分子と呼ぶ)を探索する。発見された機能分子についてその構造を解析し、その作用機序を明らかとする。本研究の成果は変形性関節症の発症メカニズムの解明、予防治療薬の開発や新たな治療標的の発見が期待される。 今年度は前年度に米国より導入したマウス肢芽由来間葉系細胞株 (C14 細胞) を用いた軟骨分化促進化合物のスクリーニングを進めた。高密度細胞塊培養(マイクロマスカルチャー)によって誘導される軟骨分化をアルシアンブルー染色で評価した。所属研究室の所有する天然化合物ライブラリーから、軟骨分化促進活性を示す化合物を1つ見出した。本化合物については今後、遺伝子発現解析等により軟骨分化に対する影響を詳しく解析する。また、微生物培養液のスクリーニングからは目的の活性を示す培養液を複数見出した。現在、これらの培養液から活性物質の単離精製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で細胞の入手が遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに入手した細胞を用いて微生物培養液のスクリーニングを継続する。活性を示した培養液から活性物質の単離精製を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる様々な制限が影響し、繰越が生じた。繰越分は翌年度に行う化合物探索に係る物品費として使用する。
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Research Products
(1 results)