2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周病関連疾患を予防・改善する抗糖化及び抗歯周病原菌活性プレニル誘導体の探索研究
Project/Area Number |
20K07122
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 歯周病菌 / 糖化最終生成物 / グリーンルイボス / ウイキョウ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き、続き歯周病菌増殖抑制活性についてはウイキョウ、抗糖化活性についてはグリーンルイボスを対象として研究を行った。 歯周病菌Porphyromonas gingivalis (Pg菌)の増殖抑制活性化合物の同定を目的にウイキョウの成分研究を継続して行った。活性を指標とした分画の後、HPLCを用いてFN-15と仮称する化合物を単離した。FN-15の化学構造は各種NMR測定とともに市販の標準品とHPLCの保持時間を比較することでペテロセリン酸(cis-6-octadecenoic acid)と決定した。なお、今回単離した化合物のうちFN-15(ペテロセリン酸)が最も収量が多く、定量試験の結果、ヘキサンエキスに対して66%の収量であった。さらに、FN-15はPg菌増殖阻害活性が最も強く観測されたことから、ウイキョウの活性本体はペトロセリン酸と同定することが出来た。さらに、共同研究によって行った作用機序の解析により、ウイキョウヘキサンエキスはPg菌に対して、急速溶菌活性とジンジパイン阻害活性の2つの異なる作用が観測された。 飲食可能な抗糖化素材の探索の一環として、グリーンルイボスについて活性化合物の同定を目的に成分研究を行った。抗CMA(Nε-(carboxymethyl) arginine)抗体を用いたELISA法によるCMA生成阻害試験を指標に分画した。さらに分子篩カラム(Sephadex LH-20)、分取HPLC(ODS、Phenyl、HILIC等)を繰り返し行い化合物の単離を試みた。その結果、活性が強い化合物群として高分子量ポリフェノール(プロシアニジン関連化合物)を推定することが出来た。現段階でNMRの詳細構造解析と質量分析の分子量解析は困難であることから、周辺画分の探索で低分子量(単量体やオリゴマー)の関連化合物を単離して構造決定につなげていく計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pg菌増殖抑制活性を有するウイキョウより、ペテロセリン酸を活性本体として同定することが出来た。また、抗糖化活性物質として、グリーンルイボス中の活性化合物群として、高分子量ポリフェノールを推定することも出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
Pg菌増殖抑制活性のある天然素材の探索研究として、他のスパイスにも注目すべき活性が観察されたことから、今後、新たな化合物の発見が期待される。また、共同研究で抹茶についても化合物の単離と活性の確認を行っているところである。一方、抗糖化活性に関しては、プレニル基を有する芳香族化合物の種類を集めるべくホップ(Humulus lupulus)の成分探索に着手したところである。今後、更なる構造活性相関の解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
年度末の見積もりで残額をゼロにする予定であったが、価格の変化が有り差額245円が生じた。これは次年度の消耗品費に組み入れて使用する。
|
Research Products
(8 results)