2022 Fiscal Year Research-status Report
結核菌の生菌特異的な宿主細胞傷害活性の発現機構の解析と関連因子の探索
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20K07125
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Research Institution | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
Principal Investigator |
瀧井 猛将 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 抗酸菌部, 主任研究員 (80244573)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 結核菌 / 細胞傷害活性 / 病原性 / 炎症性サイトカイン / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト型結核菌Mycobacterium tuberculosis と種々のヒト由来細胞株を共培養すると生菌特異的に宿主細胞死が誘導される細胞株(A549;肺上皮細胞、MRC-5;肺線維芽細胞)があることを見出している(J Interferon Cytokine Res., 2001)。この細胞死は生菌特的であること、日和見感染を起こすトリ型結核菌M. aviumや結核ワクチン株であるM. bovis BCG菌では弱いことから抗酸菌の病原性との関連が示唆された。昨年度までに結核菌の取り込みについて透過型電子顕微鏡での観察から、菌の取り込みと細胞死は経時間的に一致していることを明らかにしている。また遺伝子発現解析やELISAでのタンパク質測定から炎症性のサイトカインであるIL-6やIL-8の発現も細胞死と経時間的に一致していること明らかにしている。本年度は、結核菌による宿主細胞傷害活性をリアルタイムで測定可能な細胞傷害活性測定装置をもちいて詳細に解析を行ったところ、細胞傷害活性は結核菌感染後20時間前後から観察された。この結果は以前に報告した(Antimicrob. Agents Chemmother., 2002)染色法での結果では1日目以降に細胞傷害活性が見られる結果と相関が見られた。また、抗菌薬を用いた検証で、細胞傷害活性が生菌数に比例していること確認できた。これらのことから、本測定系は、結核菌生菌による細胞傷害活性の詳細な機構解明に有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結核菌感染宿主細胞死の解析に有用なリアルタイム細胞傷害活性測定装置の導入により細胞傷害活性の測定を詳細に解析することが可能になったが、従来法(染色法)との相関性の確認や測定条件の検討に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
リアルタイム細胞傷害活性測定装置を用いて、結核菌による細胞傷害活性の経時的な変化を詳細に解析する。および、パイロトーシス阻害剤などの各種阻害剤を用いて、細胞傷害活性の機構解析を進める。菌感染宿主細胞から宿主内の菌と感染宿主のRNAseq解析から推定された菌および宿主の本活性の責任遺伝子について解析行い、本現象の全容の解明を進める。
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Causes of Carryover |
研究条件設定に時間を要し、研究計画に遅れを生じたため。
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