2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of antimicrobial drug use trend survey system for antimicrobial drug resistance
Project/Area Number |
20K07128
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
後藤 伸之 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 教授 (10434614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 仁 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (60600880)
渡邉 享平 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (40764626)
矢野 良一 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (90570747)
五十嵐 敏明 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 薬剤師 (20600878)
東 高士 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 薬剤師 (40623773)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗菌薬適正使用 / AMR対策 / 使用動向調査システム / スタンドアローンシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
抗菌薬使用量は、抗菌薬適正使用を推進する上で重要なアウトカムデータの1つとなる。他施設間・自施設の経年変化をモニタリングする上で抗菌薬の使用密度(AUD)・使用日数(DOT)が有用とされている。しかし、AUD算出するための集計は煩雑で手間がかかる現状がある。厚生労働省委託事業AMR臨床リファレンスセンターにより医療機関でのAMR対策に活用できる感染対策連携共通プラットフォームが運用され、施設名が分からない状態で個人の識別ができる情報は収集せずにAUD・DOT算出ができるアプリを開発している。しかし、参加施設として登録しているがAMU情報に協力しているのは全国で現在780施設程度である。その原因としては、Webを用いて支援するシステムであるため抵抗感をもつ施設もあることが考えられる。そこで手軽に自施設内や地域の抗菌薬使用状況把握を目的にした診療報酬用データを用いた抗菌薬使用量算出システムの構築を目指した。 【システム開発】スタンドアローン状態で運用可能なシステムとし、Microsoft Accessを用いデータの抽出、結合、AUD・DOT算出する。さらにMicrosoft Excelを用い日常業務で利用しやすいようAUD・DOTを各薬剤とその系統ごとに視覚化する。DPCデータ(EFファイル)、レセプトデータとした。各月ごとの診療報酬データファイルを指定のフォルダに置き、入力操作を要さずクリック操作のみで処理を完了することができた。4つの医療機関において試験的に動作確認を実施した。DPCデータ(EFファイル)を用いての抗菌薬使用量算出では、すべての施設においてJ-SIPHEのシステム算出結果とほぼ同様の結果であった。一方、レセプトデータでは、施設間でバラツキが認められ、原因としては各施設間のレセプトデータの入力方法の差異による可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画書では、業者に開発を委託してシステム開発する予定であった。しかし、新型コロナ感染症禍において業者(東京)との協議にて、本システムの開発対応が難しいとの結論に至った。そこで、研究代表者と研究協力者の下でシステム開発をすることに変更した。 スタンドアローン状態で運用可能なシステムでの開発を進めており、市販のノートパソコンにMicrosoft AccessおよびMicrosoft Excelをインストールしてシステム開発を行った。Microsoft Accessでは、診療報酬用データである入院・外来患者のDPCデータ(EFファイルを用いてデータの抽出、結合、AUD・DOT算出が可能となった。また、Microsoft Excelを用いて日常業務で利用しやすいようAUD・DOTを各薬剤とその系統ごとに視覚化を可能にした。また、レセプトデータを用いて同様な抗菌薬使用量算出システムの開発も実施した。 進捗状況は、今回開発したシステムについて研究代表者の施設以外に3つの公的医療機関(一般病床数が600床~300床程度)において試験的に動作確認を実施した。その結果、DPCデータ(EFファイル)を用いての抗菌薬使用量算出では、すべての施設においてJ-SIPHEのシステム算出結果とほぼ同様の結果であった。一方、レセプトデータでは、施設間でバラツキが認められ、原因としては各施設間のレセプトデータの入力方法の差異による可能性が考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度に動作確認を実施した研究代表者の施設及び3つの公的医療機関(一般病床数が600床~300床程度)以外にも複数の医療機関にて動作確認を実施し、厚生労働省委託事業AMR臨床リファレンスセンターの感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)にて開発されたシステムより算出された抗菌薬使用動向結果(使用薬剤、使用量、AUD値・DOT値)と今回我々が開発したシステムにより算出された結果を比較検討を実施を重ねて、開発システムの妥当性を検証する。 また、開発したシステムをインストールしたノートパソコンを準備して協力者を募り協力者の施設内で試用を繰り返し、開発システムのブラッシュアップを重ねて実運用に耐え得るシステムを構築する。さらにMicrosoft AccessおよびMicrosoft Excel以外のシステムについて院内ネットワークから完全に切り離したUSBメモリー上のクローズドな環境で稼働できる様にシステムの改良を実施するとともに、協力者を募り協力者の施設内で試用を繰り返し、開発システムのブラッシュアップを重ねて実運用に耐え得るシステムを構築する。 開発システムの完成させると共にマニュアルを整備し、一般公開を進める。さらに、講習会などを開催して啓発に努める。 さらに、開発システムの使用施設における本システムが、抗菌薬適正使用推進に有用であるかの調査も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
計画書では、業者に開発を委託してシステム開発する予定であった。しかし、新型コロナ感染症禍において業者(東京)との協議で本システムの開発対応が難しいとの結論に至った。そこで、研究代表者と研究協力者の下でシステム開発をすることに変更した。 スタンドアローン状態で運用可能なシステムでの開発を進めており、市販のノートパソコンにMicrosoft AccessおよびMicrosoft Excelをインストールしてシステム開発を行っている。 システム開発は順調に進んでいるが、まだ、複数施設においてシステムを検証するための環境を整備することができず次年度に持ち越しとなったため次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)