2023 Fiscal Year Research-status Report
脂質異常症患者に対する薬局薬剤師の介入モデルの構築と臨床的アウトカムの評価
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20K07138
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
向後 麻里 昭和大学, 薬学部, 教授 (70343499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 薬局薬剤師 / かかりつけ薬剤師 / 脂質異常症 / 生活習慣病 / 心血管イベント / 無作為化比較試験 / 薬剤師介入 / 疾病管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
介入プログラムおよび薬剤師研修、指導ツールのブラッシュアップのため、2023年度は、参加者および薬局薬剤師を対象にアンケート調査を実施し、結果を解析した。 ①研究に参加した薬剤師13名を対象に介入研究終了後にアンケート調査を実施した。薬剤師研修、介入プログラム、指導ツールについて質問し、5段階で評価した。統計解析にはCustomer Satisfaction (CS)分析を使用した。その結果、多くの薬剤師は研究に参加する上で薬剤師研修が役立ったと感じており、その満足度には研究概要、動画研修が影響していた。一方、臨床研究や研究倫理についての内容、説明会の時間が重点改善項目であった。また、多くの薬剤師は介入プログラムにより参加者の意識や行動の変化を実感し、その満足度には病識の変化、生活習慣の改善、行動の変化が影響していた。一方、説明時間が重点改善項目であった。さらに、多くの薬剤師はルーブリックが患者の状況把握や指導に役立ったと感じており、ルーブリックは介入プログラムの満足度へも影響していた。一方、指導ツールおよび目標設定が重点改善項目であった。 ②患者15名を対象に介入研究終了後にアンケート調査を実施した。CS分析を用いてアンケート結果を解析し、介入プログラムの有用性を検証した。アンケート結果において、本プログラムにより脂質異常症改善に関する意識や行動の変化があったと回答した割合は100%であった。CS分析より、ルーブリック、説明時間、生活習慣の改善、目標設定が重点維持分野に含まれていた。一方、重点改善項目はなかった。本プログラムは、参加者にとって満足できるものであり、ルーブリックが影響を及ぼしていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂質異常症患者を対象に、薬局薬剤師は介入モデルに従い、積極的な指導を実施した。しかしながら、COVID-19 の影響により、薬局に来局する脂質異常症患者が減少した。また、薬局薬剤師がコロナ感染症に罹患および濃厚接触により業務停止となったため、薬局内の薬剤師数が減少し、半数の薬局が参加者を募集できなかった。従って、研究全般がやや遅延していたが、2年延長したことにより概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、薬局薬剤師を対象に実施した薬剤師研修、介入プログラム、指導ツールについてのCS分析結果、参加者を対象に実施した介入プログラムに対するCS分析結果に基づき、介入プログラムをブラッシュアップする。さらに、COVID-19 の影響により、当初の予定より参加者や施設が減少してしまったため、参加者や施設を拡大し、研究計画を再考する。 ①改善点の抽出:薬局薬剤師を対象に実施した薬剤師研修、介入プログラム、指導ツールについてのCS分析結果、参加者を対象に実施した介入プログラムに対するCS分析結果に基づき、改善点を抽出する。②介入プログラムの再構築:介入プログラム、薬剤師研修、指導ツール(ルーブリック、管理ノートなど)をプラッシュアップする。③研究計画の再考:参加者や施設を拡大した研究計画を再考する。④結果の公表:再構築した介入プログラムについて発表する。
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Causes of Carryover |
(理由)COVID-19 の影響により、全体的に研究が遅延したため、次年度の使用が生じた。 (2024年度の使用計画)薬剤師を対象に実施した薬剤師研修、介入プログラム、指導ツールについてのアンケート結果、参加者を対象に実施した介入プログラムに対するアンケート結果に基づき、介入プログラムをブラッシュアップし、再構築した介入プログラムについて学会にて研究を継続し、その結果を学会にて公表する(日本薬学会第145年会)。残額は、学会発表のための旅費代等に使用する。
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