2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of remodeling medicine on hepatocellular carcinoma for inducible NK dependent cytotoxicity by molecular target medicine
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20K07141
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桧貝 孝慈 東邦大学, 薬学部, 教授 (70297711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 英成 東邦大学, 医学部, 臨床教授 (30349899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝細胞がん / 細胞傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に引き続き、基礎研究からの検討では、ADAM-9の転写制御に関して解析を進めた。その結果、プロモーター領域に転写因子Nrf2結合可能配列が見出されたことから、細胞内ROSや酸化ストレスによりADAM-9遺伝子の発現が誘導される可能性が示唆された。そこで、過酸化水素刺激によるADAM-9およびその基質であるMICAのmRNAおよびタンパク質発現量を解析した結果、MICAおよびADAM-9 mRNAの増加が認められた。これらの結果から、がん細胞はストレス刺激により、NK細胞からの細胞傷害を受けやすくなる可能性が示唆された。この結果を受けて、細胞内ROSを産生することが知られている化合物Aを検討した結果、ADAM-9およびMICA mRNA発現が増加したことから、化合物Aが免疫調節薬の候補となりうる可能性が示唆された。 臨床研究からの検討では、さらに症例数を増やし(59例)、テセントリク+アバスチン治療前後の肝細胞がん患者に対して、MICAの可溶性型(sMICA)やFGF-19、sFGF-R4の測定をELISAにより行った。その結果、sMICAはStageが進むにつれて高値であったが、FGF-19、FGF-R4量に差は認められなかった。また、奏効率別分類において、sMICAやFGF-19はPD症例が共に高値であったのに対して、sFGF-R4は低値であった。がんの進展に関与するFGF-19やNK細胞からの傷害を避けるsMICAがPD症例で高値であったのは、がんの増殖や宿主免疫からの回避の観点からも重要な知見であると考えられる。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、基礎検討からはがんに対する免疫調節薬候補を見出すことができ、臨床検討からはテセントリク+アバスチン治療に対するバイオマーカー候補を見出すことが出来た。
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Research Products
(3 results)