2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of platinum-containing drugs on tissue and cellular distribution of trace metal-relaterd proteins
Project/Area Number |
20K07143
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中村 任 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (80379411)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラチナ / 癌化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内微量元素(バイオメタル)は生命現象と深く関わっている。申請者はこれまでに、癌化学療法で汎用されるプラチナ系抗癌薬投与後のバイオメタル変動を患者血液検体を用いて検討し、一部のバイオメタルでは血中動態が変動することを明らかにしてきた。また、実験動物を用いて血中だけでなく組織中の変動についても検討を進めてきた。 バイオメタルの測定にはICP-MSを用いており、測定サンプルの前処理として開放型容器を用いて強酸による湿式灰化を行ってきた。開放型容器の使用は完全乾固できるメリットがある一方で、コンタミや作業効率性の点で懸念もあった。本年度は、閉鎖型容器を用いるマイクロ波試料分解装置の利用が可能となり、同装置の加熱プログラムの最適化を行った。 試料の灰化容器として、耐熱性・耐酸性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製容器を用いて検討を進めたところ、マイクロ波加熱処理時に容器変形に伴うサンプルの漏出など測定精度に影響を及ぼすことが考えられた。また、試料の種類によっては同装置での加熱プログラムを最適化する必要性も考えられた。一方、測定サンプルは、測定のたびに試料を消費することとなり、患者血液検体など希少サンプルを用いる場合には再測定などのことを考え、できるだけ少量のサンプルで測定でき且つ精度を落とさずに測定することが求められる。既報も参考にマイクロ波試料分解装置を用いてサンプルの漏出や加熱温度や時間の影響について検討し、標準血清 50 microLに対して混酸 1 mL(65%硝酸:35%過酸化水素=2:1)を用いて灰化処理するための条件設定を終えた。また、容器内溶液の損失を最小限度に留めて灰化処理可能なことを確認した。 加熱プログラムの最適化を行ったことから、次年度は、プラチナならびに鉄、亜鉛、銅などの元素の測定を順次行い、プラチナ系薬物の変動解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バイオメタルの測定にはICP-MSを用いている。プラチナと異なり、鉄、銅、亜鉛といった生体必須元素は生体試料等に存在することから測定時のバックグラウンドが高い。このため、生体必須元素の測定に際しては高純度ヘリウムをコリジョンガスとして使用してバックグラウンドを下げて定量する等の対応が必要である。コロナ禍で高純度ヘリウムガスの供給の目処が立たず、一部元素の測定が当初計画通りに進まず研究の遂行に支障が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り、導入したマイクロ波試料分解装置を用いた灰化条件の最適化は終了している。また、安定供給の見通しは立たないものの年度末に高純度ヘリウムガスが確保できた。学内研究協力者の実験協力によって培養細胞実験の環境整備が整ったことから、引き続き当初予定の計画を進める予定である。
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Causes of Carryover |
高純度ヘリウムガスならびに細胞培養関連消耗品の納品に見通しが立たず、一部、予定通りに実験が進められなかったため。また、導入したマイクロ波試料分解装置の条件設定に思いのほか時間を要することとなり、一連の培養細胞実験を計画的に進めることがの遂行が滞ったため。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Usefulness of medication guidance sheets for patients with non-Hodgkin's lymphoma receiving ESHAPA±R therapy.2022
Author(s)
Mayako Uchida, Saeko Murata, Hanae Morikawa, Hiroko Yonemitsu, Shigeru Ishida, Kimitaka Suetsugu, Toshikazu Tsuji, Hiroyuki Watanabe, Takehiro Kawashiri, Koji Kato, Keiko Hosohata, Toshihiro Miyamoto, Nobuaki Egashira, Tsutomu Nakamura, Koichi Akashi, Ichiro Ieiri.
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Journal Title
Anticancer Res
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluation of medication instruction sheets for patients undergoing R-CHOP therapy in non-Hodgkin's lymphoma.2022
Author(s)
Mayako Uchida, Rika Kawai, Rie Hisamitsu, Sayaka Mai, Shigeru Ishida, Hiroyuki Watanabe, Takehiro Kawashiri, Koji Kato, Keiko Hosohata, Toshihiro Miyamoto, Nobuaki Egashira, Tsutomu Nakamura, Koichi Akashi, Ichiro Ieiri.
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Journal Title
In vivo
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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[Journal Article] Relationship between serum bepridil concentration and corrected QT interval2021
Author(s)
Kazuki Matsui, Yutaro Mukai, Kota Sakakura, Kyoichi Wada, Tsutomu Nakamura, Atsufumi Kawabata, Nobue Terakawa, Naoki Hayakawa, Kengo Kusano, Kouichi Hosomi, Satoshi Yokoyama, Mitsutaka Takada.
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Journal Title
Int. Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics
Volume: 59
Pages: 63~70
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Discontinuation of oral amphotericin B therapy does not influence the pharmacokinetics of tacrolimus in heart transplant patients2021
Author(s)
Megumi Ikura, Tsutomu Nakamura, Takaya Uno, Kazuki Nakagita, Hiromi Takenaka, Sachi Matsuda, Ryosuke Oda, Kyoichi Wada, Yuji Hattori, Osamu Seguchi, Masanobu Yanase, Naoki Hayakawa, Norihide Fukushima.
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Journal Title
Int. Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics
Volume: 59
Pages: 566~571
DOI
Peer Reviewed