2022 Fiscal Year Annual Research Report
重篤な副作用回避に向けた分子標的抗がん剤治療法の開発
Project/Area Number |
20K07150
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三浦 昌朋 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (30265194)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分子標的治療薬 / 血中濃度 / バイオマーカー / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子標的抗がん剤のターゲット血中濃度を算出し、その血中濃度をマーカーにした治療戦略を確立することを目的に本研究を実施した。さらに副次評価項目として、各薬剤の特徴的な副作用発現のバイオマーカーを探索し血中濃度との相関性の検討と、ファーマコゲノミクス導入による初回投与設計が可能か、血中濃度の個人差を解明する目的で薬物動態関連遺伝子多型も解析した。最終年度では、各薬剤の副作用と関連するバイオマーカーをELISAを用いて測定し、患者の遺伝子多型も一斉に解析し、血中濃度との関連についてデータ解析した。 その結果、ポナチニブの血中濃度は21.3 ng/mLが有効と考えられるが、ABCトランスポーター遺伝子多型の影響を受けなかった。今回の研究でポナチニブの1%程度が血液から髄液に移行したが、これは患者のABCB1遺伝子多型の影響を受け、欠損患者では髄液移行率が高いことが明らかになった。またオシメルチニブの血中濃度も遺伝子多型の影響を受けなかったが、患者のアルブミン値が低いとオシメルチニブの血中濃度が高くなることが確認できた。オシメルチニブの血中濃度と副作用発現の間にも相関は認められず、現在有効性について解析を進めている。レンバチニブは血中濃度42 ng/mL以上が有効であると考えられ、88 ng/mLを超える高濃度では副作用発現リスクが高まった。治療開始後血液中アンジオポイエチン2の濃度が有意に低下するとレンバチニブ治療で寛解が観察され、生存期間も長いことが確認された。しかしアンジオポイエチン2と血中濃度の間には相関が見られなかった。今回の研究から多くの新規情報が発見できた。
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