2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a novel drug delivery system for targeting cancer stem cells based on the structual analysis of tumor blood vesseles.
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20K07155
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸山 正人 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (00399445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 和孝 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (60284080)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / がん幹細胞 / スフェア培養 / ALDH1A1 / CD44 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腫瘍血管の構造解析に基づいたがん幹細胞への新規薬物送達法を確立し、がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発を目指している。昨年度は、マウス4T1乳がん細胞を用いて、乳がん幹細胞の候補となり得るクローン株を複数(4種類)樹立した。そこで、本年度は、樹立したこれらのクローン株が、がん幹細胞の特性を有することを明らかにすることを目的に、腫瘍形成能とがん幹細胞マーカーの発現について、検討を行った。 樹立した細胞を、5週齢のBalb/cマウスの皮下に1x106個の細胞を移植し、腫瘍形成能を評価したところ、移植した4種類のクローン株のうち、2種類のクローン株において、親株に比べて有意に高い腫瘍形成能を示すことが確認された。さらに、細胞数を5x105個に少なくして投与した場合についても検討を行った結果、1x106個の細胞を移植したときに高い腫瘍形成能を示した2種類のクローン株が、5x105個の細胞を投与した時にも、親株に比べて有意に高い腫瘍形成能を示すことが確認されたため、これらのクローン株が、がん幹細胞の有用な候補と考えられた。 次に、がん幹細胞マーカーの発現について検討を行った。樹立した細胞は、ALDH1A1 mRNAの発現量に基づいてスクリーニングされた細胞であるため、既知のがん幹細胞であるALDH1A1に着目し、そのタンパクレベルの発現を免疫染色法を用いて解析した。その結果、高い腫瘍形成能を示した2種類のクローン株において、ALDH1A1の高い発現を確認できた。 以上のことから、本年度は、樹立したがん幹細胞のモデル細胞のうち、2種類の細胞がin vivoにおいて高い腫瘍形成能を示すこと、これらの細胞では、ALDH1A1ががん幹細胞マーカーとして発現することを明らかにした。今後、これらの細胞が、がん幹細胞への新規薬物送達法を確立するための有用なモデル細胞になると考えらえれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年もCOVID-19の影響により、大学レベルで研究室への入室制限を行っていた期間があったこと、長期の実験を中止せざるを得ない状況になってしまったこと、試薬・実験器具等の納品が大幅に遅れたことにより、予定よりも研究の進捗状況にやや遅れが見られる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、樹立したモデルがん幹細胞のうち、高い腫瘍形成能が見られた2種類のクローン株に絞って研究を推進する。これらの細胞のがん幹細胞としての機能について詳細に調べるため、薬剤耐性について評価を行う。具体的には抗がん剤であるドキソルビシンやパクリタキセルを使用し、in vitroで細胞増殖アッセイを行うことで、これらの細胞の薬剤感受性を評価する。これにより、樹立したクローン株が、抗がん剤に対する薬剤耐性を有したモデルとなり得るかどうかについて明らかにする。また、これらの細胞をマウス皮下に移植した後、低酸素領域と血管周囲領域に存在するがん幹細胞の割合を、ALDH1A1に対する免疫染色法により評価する。さらに、がん幹細胞マーカーであるALDH1A1は、細胞内に発現する酵素であるため、がん幹細胞をターゲッティングする際に標的となり得る細胞表面に発現するがん幹細胞マーカー分子の探索も併せて行う。
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Causes of Carryover |
本年も昨年度に引き続き、COVID-19の影響により、大学レベルで研究室への入室制限を行っていた期間があり長期の実験を中止せざるを得ない状況になってしまったこと、試薬・実験器具等の納品が大幅に遅れたことなどにより、予定よりも研究の進捗状況にやや遅れが見られたため。
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Research Products
(1 results)