2020 Fiscal Year Research-status Report
Clinical pharmacokinetic analysis of antibody drugs by application of innovative measurement techniques directed to personalized medicine
Project/Area Number |
20K07157
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
林 秀樹 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (00419665)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 康 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00334938)
平井 啓太 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30740203)
飯原 大稔 岐阜薬科大学, 薬学部, 研究員 (40775095)
轟木 堅一郎 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (70341451)
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 抗体医薬 / DNAアプタマー / 血中濃度モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体医薬を使用する上で、臨床現場における有効治療域濃度の評価や投与計画の設定,適正使用のための薬物動態学的なエビデンスの確立は急務である。また、irAEのような副作用発症と血中薬物濃度の関係は明らかになっておらず、簡便かつ迅速な抗体医薬の血中濃度測定法がないことにも原因がある。したがって、臨床で応用可能な迅速かつ簡便で高精度な抗体医薬の血中濃度分析法が要求される。 本研究では、2020年度においては、HER2陽性乳がんの治療薬であるpertuzumabおよびCD20陽性の非ホジキンリンパ腫の治療薬であるrituximabを選択的に認識する抗イディオタイプDNAアプタマーを開発し、獲得したアプタマーの評価と血中薬物濃度測定に向けた検討を行った。ヒトIgGには結合せずpertuzumabに対して高親和性・高選択性を示す抗イディオタイプDNAアプタマーとしてpertuzumabで22個、rituximabで17個の候補配列を得た。獲得したアプタマー(Per-13r#17,Rit-11r#3)のKd値はnMレベルであり、高い結合親和性と、血中IgGから選択的に対象物質のみを捕捉できる特異性を有していた。現在、nivolumabをはじめとした複数の抗体医薬に対するアプタマーの獲得と、それらを利用したEnzyme Linked Aptamer Assay法構築に向けた検討を継続している。 また、血漿中濃度モニタリングとして、抗体医薬を使用している患者の血漿中濃度を測定するための患者登録を進めている。特に、Nivolumabについては数症例であるが、現在、ELISA法による血漿中濃度測定を先行して実施し、血漿中濃度の推移と副作用の発現状況を確認している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、患者登録が予定より遅れているが、DNAアプタマーの獲得は順調に進捗している。今後、協力病院を増やして患者登録を進めていくことで、今後の研究の進展には特に影響はないと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
測定法を確立したpertuzumabとrituximabについても、患者登録を進めていく。nivolumabをはじめとした複数の抗体医薬に対するDNAアプタマーの獲得と、それらを利用したEnzyme Linked Aptamer Assay法構築に向けた検討を継続する. NivolumabについてはELISA法による血漿中濃度測定を先行して実施する.非小細胞肺癌患者の血漿サンプルを収集して血漿中濃度測定を実施し,診療情報を収集する.血漿中抗体医薬濃度と治療効果および副作用発現についての関連性を検討する.また,nivolumabのDNAアプタマーを獲得次第、測定法のバリデーションを実施し、ELISA法による血漿中濃度の測定結果との比較を行う。
|