2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規ポリアミントランスポーターの機能及び生理的役割の解明
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20K07159
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
湯浅 博昭 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (20191471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保嶋 智也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (50753555)
山城 貴弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (20826614)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トランスポーター / ポリアミン / スペルミジン / スペルミン / プトレシン / 前立腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜で働く新規ポリアミントランスポーターとして見い出されたpolyamine transporter 1 (PAMT1)の分子機能解析において(一過性発現系COS-7細胞を利用)、ヒトPAMT1によるspermidine輸送に対するspermineの阻害作用の解析を進めた結果、その阻害定数はspermidine輸送のミカエリス定数と同等レベルであった。さらに競合様式の阻害特性と合わせて、spermineもPAMT1の良好な基質である可能性が示唆された。 LNCaP細胞(前立腺モデル細胞)での解析では、ポリアミン取込誘導効果が知られているアンドロゲン類の1つであるR1881(合成アンドロゲン)によるPAMT1発現(mRNA及びタンパク)及びspermidine取込の上昇傾向が見られたことより、PAMT1が働いている可能性が示唆された。 関連のトランスポーター研究の成果として、新たにポリアミン輸送活性を持つトランスポーター様タンパク質(ポリアミントランスポーター候補)を見い出せた。また、昨年度に続くオロト酸トランスポーター群に関する研究でも、OAT10及びSMCT2の他にENBT1がorotate輸送活性を持つことを新たに見い出せた。 研究全体の総括としては、PAMT1の分子機能の解明を進展させることができた。また、PAMT1(mRNA)の臓器分布の評価においては、前立腺での特異的発現がみられた。前立腺モデル細胞(LNCaP細胞等)での機能検証には至らなかったが、アンドロゲン類によるPAMT1発現の上昇がLNCaP細胞でみられたことより、PAMT1がポリアミントランスポーターとしての生理的役割を持つ可能性が示唆された。また、関連のトランスポーター研究の成果として、OAT10等のオロト酸トランスポーターとしての機能を見い出せた。新たなポリアミントランスポーター候補も見い出せた。
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