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2021 Fiscal Year Research-status Report

Prx2の2つの過酸化型の定量による慢性閉塞性肺疾患COPD診断法の開発

Research Project

Project/Area Number 20K07166
Research Institution湘南医療大学

Principal Investigator

石田 洋一  湘南医療大学, 薬学部医療薬学科, 准教授 (90510454)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsCOPD / SAS / Prx2 / 過酸化型
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、COPDなどの酸化ストレス性の肺疾患において、赤血球タンパク質の抽出、HPLCによる過酸化型Prx2ピークの検出、ウェスタンブロッティングおよび質量分析計による過酸化型Prx2の検出を行うこととしている。これらの解析を通して、酸化ストレス性肺疾患において、Prx2の過酸化が亢進するかどうかを明らかにすると並行して、診断バイオマーカーとしての可能性を検証する。
まず、パイロットスタディとして数名のCOPD患者または健常者の赤血球を用いて、赤血球タンパク質をHPLC分離 (逆相カラム) した結果、数名の患者検体において過酸化型と考えられるピークが検出された。しかし、得られた結果は、採血後長期間経った赤血球を用いたため、新鮮な赤血球を用いた解析を進めると同時に、検体数も増やす必要がある (20検体以上)。
COPDと同じく酸化ストレスが亢進していると考えられる睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の検体を用いた解析も行った。複十字病院から提供されたSAS患者赤血球をHPLC分離し、過酸化型Prx2の検出を行った。その結果、過酸化型Prx2のピークの著しい増加は認められなかったものの、増加傾向にあるように思われた。そこで、抗Prx SO2/SO3抗体を用いたウェスタンブロッティングにより解析を行ったところ、SAS患者赤血球において、Prx2の過酸化が著しく増加していることが分かった。
以上の結果、過酸化型Prx2がCOPDおよびSASのバイオマーカーとなる可能性が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究代表者が2021年4月1日に前職の明治薬科大学から湘南医療大学へ移動したのに伴い、研究を遂行するのに必要な様々な事務手続きを行う必要があった。まず、研究倫理の面に関して、前職の明治薬科大学において、所属の変更、研究分担者の追加などを修正して、倫理委員会の承認を得た。湘南医療大学の研究倫理委員会においても、研究課題名「酸化ストレスが関与する呼吸器系疾患における赤血球中バイオマーカーの同定と診断への応用」として承認を得た (2022年2月15日承認)。しかし、湘南医療大学では、2月に薬学部棟が完成し、保健医療学部から薬学部棟への移動が行われたばかりで、いまだ実験できる環境は整っておらず、実験は明治薬科大学で行わざるを得ない。さらに、コロナ禍による人流の抑制のため、自由に行き来して共同研究できる環境になかった。

Strategy for Future Research Activity

湘南医療大学薬学部で実験ができる環境を整えるのと並行して、明治薬科大学で実験を進める。特に高分解能の質量分析計は、高額であるため、現時点では購入できる見込みは少ない。従って、質量分析計の使用も含めて、しばらくの間は明治薬科大学で研究を進める予定である。
COPDおよびSASの検体数を増やし、過酸化型Prx2のバイオマーカーとしての可能性を検証する。まずは、HPLC分析およびウェスタンブロッティングにより、酸化ストレス性肺疾患患者赤血球において、Prx2の過酸化が亢進していることが明らかにする。Prx2の過酸化型は、Cys-51残基がスルフィン酸修飾型 (-SO2H) とスルフォン酸型 (-SO3H) が存在するが、ウェスタンブロッティングのような特異抗体を用いた解析では、両者を区別して定量することができない。そこで、質量分析計を用いた解析を開始する。

Causes of Carryover

新設大学のため薬学部棟の建設が進められていたが、コロナ禍などのため工事が大幅に遅延し、完成して新しい学部棟に移動したのが2022年2月であった。そのため、2021年度は湘南医療大学では全く実験を行うことができず、共同研究先の明治薬科大学で実験を行ったが、こちらもコロナ禍のための人流抑制のため、自由に長期間共同研究を行うことができなかった。以上の理由により次年度使用額が生じた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 酸化ストレス性疾患への臨床応用を目指した過酸化型Prx2定量法の開発2021

    • Author(s)
      須藤遥、殿山泰弘、小池伸、小笠原裕樹、石田洋一
    • Organizer
      第39回日本ヒト細胞学会学術集会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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