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2020 Fiscal Year Research-status Report

慢性腎不全における高ホモシステイン血症の成因機序とその心血管疾患発症への関与

Research Project

Project/Area Number 20K07188
Research InstitutionTokyo University of Pharmacy and Life Science

Principal Investigator

長谷川 弘  東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80218453)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords高ホモシステイン血症 / 腎不全 / 血管傷害 / メチオニン / ホモシステイン / 代謝フラックス / 安定同位体 / GC-MS
Outline of Annual Research Achievements

代謝フラックス解析に用いるL-重水素標識ホモシステイン(L-[2H4]ホモシステイン)の前駆体であるL-[2H4]ホモシステインチオラクトンの合成を試みた.しかし,これまでと異なり,十分な光学純度(ee99%以上)を有するL-[2H4]ホモシステインチオラクトンを合成することができなかった.混入するD-[2H4]ホモシステインチオラクトンから得られるD-[2H4]ホモシステインはL-[2H4]ホモシステインとは異なる体内動態を示す可能性がある.そこで,L-[2H4]ホモシステインの酸化型であるL-[2H8]ホモシスチンの合成を行った.ホモシスチンはホモシステインがジスルフィド結合したものであり,血漿中ではホモシステインはホモシスチンに酸化されて存在するため,ホモシステインの代用となると考えられたからである.ラセミ体の[2H4]メチオニンを光学分割して得たL-[2H4]メチオニンを液体アンモニア中でリチウムと反応させることで脱メチル化を行ったのち,酸素ガスを通気することでジスルフィド結合を形成させ,十分な光学純度(ee 99%以上)を有するL-[2H8]ホモシスチンを得ることができた.この反応過程で,ホモシステインがラセミ化しないことが明らかになった.
持続静脈内投与する代謝フラックス解析では,投与設計に投与物の総クリアランスが必要である.そこで,ラットにL-[2H8]ホモシスチンを単回静脈内投与し,その血漿中動態を検討した.その結果,そのクリアランスはL-[2H4]ホモシステインを投与したときの約1/3であり,投与型によってホモシステインの血漿中動態が異なることが明らかになった.また,L-[2H4]ホモシステインを投与したときに比べて,L-[2H4]メチオニンの生成が遅くなることが明らかになった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止のため,所属機関で夏頃まで在宅勤務中心の勤務形態(週に1日ないし2日の出勤)となった.5/6腎摘除後に数週間飼育した実験動物を実験に供する予定であったが,いつ緊急事態宣言が発令されるかが見通せずに,その作出が困難であった.そこで,in vivo代謝フラックスで実験動物に投与する安定同位体標識ホモシステインを十分量確保しようと考え,その合成を試みた.しかし,十分な質保証をもつL-[2H4]ホモシステインの合成を達成することができず,その代替えとしてL-[2H8]ホモシスチンを合成した.また,L-[2H4]ホモシステインとL-[2H8]ホモシスチンを投与した場合ではその血漿中動態が異なることが明らかになり,投与設計の見直しが必要となった.

Strategy for Future Research Activity

まず,健常ラットに対して,L-[2H8]ホモシスチンを持続静脈内投与する代謝フラックス解析を施行する.その後,立案計画に従い,5/6腎摘除による慢性腎不全ラットに対しても,同様の代謝フラックス解析を施行する.これらの結果より,腎不全によりホモシステインの代謝回転がどのように変化するかを明らかにする.また,健常ラット及び5/6腎摘除ラットより摘出した肝および腎を用いて,メチオニンーホモシステイン代謝系に関与する酵素系の発現解析を施行し,これらの酵素系の発現変化がホモシステインの代謝回転に及ぼす影響を考察する.

Causes of Carryover

(理由)参加学会がすべてオンライン開催となったために,旅費がかからなかった.
(使用計画)論文執筆における英文校閲費及び投稿費に充てる.

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] The effect of dietary protein restriction in a case of molybdenum cofactor deficiency with MOCS1 mutation2021

    • Author(s)
      Yu Abe, Yu Aihara, Wakaba Endo, Hiroshi Hasegawa, Kimiyoshi Ichida, Mitsugu Uematsu, Shigeo Kure
    • Journal Title

      Mol Genet Metab Rep

      Volume: 26 Pages: 100716

    • DOI

      10.1016/j.ymgmr.2021.100716

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-12-27  

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