2021 Fiscal Year Research-status Report
術前・導入DCF療法施行症例における腎機能障害に対するマグネシウム製剤の適正使用
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20K07205
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
毛利 順一 北里大学, 薬学部, 講師 (20507850)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 術前・導入DCF療法 / 食道がん / 後ろ向き観察研究 / 特定臨床研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度に引き続き、食道がん術前・導入DCF療法に伴って、重度な腎機能障害を発現した症例を対象に、その症例の特徴と抗がん剤の治療効果への影響を把握することを目的に、後ろ向き観察研究を実施した。令和2年度に収集した症例データを集計したところ、まだ目標症例数に達していないことが判明したため、対象症例を追加して関連データを収集した。現在は追加症例も含めて、収集したデータを集計・解析している。令和4年度には、データ解析を終了して、得られた研究成果に関して、学会発表と論文発表を予定している。 令和2年度に収集した症例データの集計および解析によって、本治療に伴う腎機能障害が、抗がん剤の投与量に影響を及ぼしていることが判明したため、日本臨床腫瘍薬学会学術大会2022で発表した。令和4年度には、本内容についても、学術雑誌で発表する予定である。 令和3年度より実施予定であった前向き臨床研究を開始した。この前向き臨床研究は、術前DCF療法を含む高用量シスプラチンを投与する食道がん症例を対象に、静注マグネシウム製剤による腎機能障害の予防効果を検討する特定臨床研究である。令和3年7月27日付で、厚生労働大臣による認定を受けた認定臨床研究審査委員会からの承認を得た。続いて、令和3年8月25日付で、実施医療機関の管理者の承認を得た。その後、厚生労働大臣に実施計画を提出し、令和3年9月8日に当該臨床研究の実施許可を得た。研究内容の詳細は臨床研究等提出・公開システム(jRCT)ホームページに掲載されている。現在までに1例、患者登録を行って試験治療を実施した。令和4年度も引き続き、対象症例の登録を行って、試験治療を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題に関連した後ろ向き観察研究に関して、令和2年度に収集した症例データを集計したところ、目標症例数に達していないことが判明したために、令和3年度にも追加で症例データの収集を行った。その関係でやや進捗に遅れが生じて、令和3年度に予定していた学会発表と論文発表までには至らなかった。また、前向き臨床研究に関しても、令和3年度内に5例程度の患者登録を予定していたが、適格基準に合致した対象患者が少なく、患者登録が進まなかった。現在の新型コロナウイルス感染症の感染拡大も影響していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度より実施中の後ろ向き観察研究については、追加症例も含めたデータ収集が概ね完了したため、今後はデータの集計・解析を行って、得られた成果を学会発表および論文発表する予定である。令和3年度より開始の前向き臨床研究に関しては、症例登録に遅れを生じているが、実施医療機関の食道がんカンファレンスに出席することで、早期に登録候補症例を把握し、主治医と連携して登録を推進できるように努める。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】令和2年度から令和3年度にかけて実施した後ろ向き観察研究の主な研究成果を学術集会および学術論文に発表する予定であったが、発表まで至らなかったため。 【使用計画】後ろ向き観察研究による成果を学術集会および学術論文に発表する。その発表関連費用として、次年度への繰越額を使用する。また、今年度より開始した特定臨床研究では、中央モニタリング業務を委託しているため、そのモニタリング費用として次年度分の予算を使用する予定である。
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